田原聡一朗×山口絵理子(マザーハウス)対談「今度はネパールに。私が途上国にこだわるのは役割分担だと思うんです」
最貧国で活躍する女性起業家に聞く 第3回

vol.2はこちらをご覧ください。

ネパールでの新たな挑戦

田原: また新しい国で、洋服を作っているそうですね。それはどこの国ですか?

山口: ネパールです。じつは、2009年から始めていました。

アジアで貧しい国はどこだろうと調べたら、ネパールだったからです〔PHOTO〕gettyimages

田原: なぜネパールだったのですか?

山口: バングラデシュの隣だったということと、もう一つアジアで貧しい国はどこだろうと調べたら、ネパールだったからです。

田原: バングラデシュより貧しいですか?

山口: 今は貧しくなってしまいました。

田原: バングラデシュが経済成長しているから?

山口: そうです。この2国の成長は、真逆です。

田原: バングラデシュは、世界のさまざまな企業が狙っていますよね。

山口: たくさん来ていますね。今では、ふつうに歩いているだけで、日本人とすれ違います。でも、人が増えたことによって、犯罪が増えたり、治安は悪化しているように思います。犯罪者が銃を持ち始めたり、観光客や仕事で訪れる外国人が撃たれる事件も起こっています。

田原: ところで、なんでネパールという国は貧困になったのでしょうか?

山口: ネパールは、民間企業がダメなんです。

田原: どうして?

山口: 企業が成長できないのです。労働者が強すぎて。「マオイスト」(毛沢東派)という集団がいて、労働者がめちゃくちゃ強すぎて、社長さんが従業員をマネジメントできないんですよ。たとえば、工場で少しでもオーダーが増えたら、従業員は「じゃあ、俺たちの給料あげろ!」と、社長を責めます。社長が利益もそんなに出てないんだから、給料は上げられない、と言えば、その場でストライキなどもおこります。

田原: なるほど。

山口: その場で、集団で囲まれて、どうしようもなくなるから、「給料を出すしかない」となり、いずれ会社をたたむことになる。だから、私が始めた2009年のころから生き残っている会社は少ないように思います。

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