北朝鮮大混乱へ
金正日「死亡」に備えよ

そして後継者・金正恩は暗殺される
いつ死んでもおかしくない金正日総書記                             〔PHOTO〕gettyimages

 朝鮮半島の緊張感は高まる一方だ。だが、本当に緊張を強いられているのは当の金正日総書記なのかもしれない。息子が真の後継者になるのが先か、自らの寿命が尽きるのが先か。残された時間は少ない。

次はクリスマス・イブに砲撃

 全世界に衝撃を与えた延坪島砲撃事件から2週間あまり経った12月8日、北朝鮮は再び、北方限界線(NLL)に砲弾数発を撃ち込んだ。

 これは北朝鮮側の海域に着弾したため、韓国軍が応戦することはなかったが、米韓の合同軍事演習などの圧力を無視する北の態度に、第二次朝鮮戦争勃発の緊張感は高まるばかりだ。

 なぜ、北はこれほどまでに攻撃的な姿勢を取っているのか。

 そこに金正日総書記の体調不安が関係していると見る専門家は多い。すでに「金正日の死」は目前に迫っていると、各国情報機関は分析しているのである。

 元韓国国防省分析官の高永喆・拓殖大学国際開発研究所研究員が言う。

「韓国や米国の情報機関では、もはや金総書記の健康状態は末期的であり、長くて5年、恐らく2~3年以内に死亡する可能性が高いと判断しています」

 また、中国共産党内ではさらに短く、1年以内の死を予測しているという。

 金総書記は現在68歳。'08年8月に脳卒中で倒れて以降は常に健康不安説が囁かれてきた。そうした見方を払拭するように、金総書記は今年に入ってから精力的に活動し、朝鮮中央通信の報道によれば、さる11月20日から12月3日までの2週間の間に10回もの現地指導(現場視察)を行っている。だが、その内情を公安関係者が明かす。

「確かに視察は頻繁だが、訪問先では杖をつき、脳卒中の後遺症で麻痺した左足を引きずりながら歩く姿が確認されている」

 北朝鮮情報のサイト『デイリーNK』東京支局長の高英起氏もこう指摘する。

「金総書記は身体のみならず判断能力も相当衰えているようです。今年の9月に開催された朝鮮労働党代表者会議では、それまで金総書記ひとりしかいなかった朝鮮労働党政治局常務委員を5名に増員しました。その背景には、金総書記の負担を少しでも減らしたいという思惑があったのでしょう。それだけ体調に不安があるということです」

 自分の死期がそう遠くないうちにやってくると悟ったとき、金総書記がなるべく早く後継者の三男・正恩氏に体制を引き継ごうと考える。それ自体は政治家や家業を持つ親ならば自然な発想かもしれない。だが、その息子はまだ28歳で、実力も未知数。国を任せるにはあまりに若い。残された時間と息子の成長を秤に掛けたとき、普通の手段では、とても間に合わない。

 韓国国防省幹部はこう断言した。

「今年3月の哨戒艦撃沈事件を端緒とする一連の武力攻撃は、あまりに頻繁で連続的すぎる。北は金正恩に後継者としての"箔"をつけるため、矢継ぎ早に我が国に攻撃を仕掛け、一定の打撃を与えた。しかし、それではまだ満足できないのだろう。

 正恩が北の国内で『軍事の天才』などと喧伝されている以上、最大の敵であるアメリカに対して一定の戦果を挙げない限り、後継者としてふさわしい伝説は完成しない。そのためには、定期的に自国付近に飛来する米偵察機に攻撃を加える可能性が高い」

 この幹部は、他国を次々と攻撃することで、金総書記が正恩氏を促成栽培し、内外に向けて正恩氏の実力をアピールしていると見ているのである。

 次なる大規模攻撃実施の時期について、ある北朝鮮ウォッチャーが語る。

「直近では12月24日が濃厚だと見ています。24日は、金正日総書記が朝鮮人民軍の最高司令官に就任した日('91年)であるとともに、正恩氏が金日成軍事総合大学を卒業した日('06年)でもある。軍にとって神聖な日とされ、伝説作りにはうってつけです」

 正日、正恩親子は禅譲の日までの猶予が残されていないことに焦り、伝説作りのために暴走を続けている。それが一見、強気に見える金王朝の実態である。

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