アメリカの大学生が必死で勉強する理由(その2)
リーダーシップ教育の正体!
なぜ企業が大学教育へ信頼を寄せるのか

2011年08月29日(月) 田村 耕太郎
ハーバード大学〔PHOTO〕gettyimages

成績は就活に直結!

 図書館で分厚い書籍とにらめっこしている学生たちを前に“なんでアメリカの学生は必死に勉強するんですか?"と純粋にハーバード大の先生に質問したことがある。答えはいたって簡単だった。

「企業が成績を詳しく見るからだよ」

 私は素早く切り返した。"でも、なんで大学の成績なんか就職の際に重視するんですか?"先生は微笑みながら「大学の授業内容と教員の生存競争の厳しさを信用しているから」と。私の大学時代の経験をもとに“毎年同じ講義とか、同じ試験問題とかないんですか?"と恐る恐る聞くと「なんじゃそれ!」、ちょっとムッとされた。

 アメリカの学部生が勉強する理由は簡単。自分の将来に役立つからだ。その背景には企業がアメリカの大学教育を信頼していることがある。そう就活に有利なのだ。そして企業が大学教育を評価する背景には大学教員間の厳しい生存競争がある。

 日本よりはるかに正当な競争に勝ち抜いた教員だけが、安定した立場で大学において教育・研究活動に携わることができる。すべてが競争を前提に成り立っているところに信頼があるのだろう。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。