来年9月の代表選に勝負を賭ける小沢一郎の「中継ぎ総理」候補は原口一博か
ぎりぎりまで独自候補擁立を模索

 民主党代表選の候補者が決まる告示日の8月27日が迫っている。

25日の候補者説明会には、本命とみられる前原誠司前外相はじめ9陣営の関係者が集まり、乱戦模様となった。だが、これで全部出そろったかといえば、まだそうとは言い切れない。勝敗の行方を左右する小沢一郎元代表が支持する候補を明らかにしておらず、ぎりぎりの段階で独自候補を擁立する可能性が残っているからだ。

小沢が独自候補を立てるとすれば、それはだれか。腹の内は分からない。可能性があるとすれば、原口一博元総務相ではないか。

原口といえば、6月の菅直人首相に対する内閣不信任案決議の採決で直前まで賛成する意向を語っていながら、最終的に反対に回ったために、一部で「裏切り」と強い批判を浴びた経緯がある。その後、表舞台での発言を控えてきた。

だが、本人は当時もポスト菅について「求められれば逃げない」と語り、代表選への出馬に前向きな意欲を示していた。もともと、やる気十分なのだ。ところが6月時点では菅が生き残って代表選自体がなくなってしまい、現在に至っている。

いつもは雄弁な原口が沈黙する理由

 たしかに当日になって「野党の出した不信任案に賛成するなんて邪道」と言い出した原口の言い方は「手のひら返し」もいいところだ。反発を呼んでも仕方がない。だが、なぜそんな展開になったかといえば、同じく不信任案賛成に傾いていた鳩山由起夫前首相が「一定のめどがつけば退陣」という菅の口約束だけで、菅と手を握ってしまったからだ。

原口の方針転換は「鳩山が最後に逃げて、菅降ろしの成算がなくなってしまったからだ」と言えなくもない。その後の見るも無惨な菅降ろし騒動は、原口ではなく鳩山の裏切りが端緒だったのはたしかである。原口もみっともないが、私は後になって「だまされた」と嘆いた鳩山のほうがはるかに見苦しかったと思う。

原口は以来、沈黙を守ってきた。もともと代表選に意欲があった原口がいま黙っているのは、小沢同様、最後まで情勢を見極めようとしているのではないか。



小沢は苦しい立場だ。前原が支持を求めてきたのは当然としても、これまで小沢を批判する立場にいた前原をここで小沢が支持して、グループの中から従わない議員が大量に出た場合、小沢の求心力が衰えたことがはっきりしてしまう。

加えて、前原の後見人は仙谷由人官房副長官である。小沢批判の急先鋒であり、仕掛け人でもあった仙谷と手を握るのは、軍門に下ったも同然になってしまう。それは出来ない相談だろう。

したがって、小沢にとっては仮に前原と手を握る場合でも、新政権での実質的な仙谷外しが絶対条件になる。たとえば、自分の息のかかった人物を幹事長に据えるといった人事だ。幹事長ポストは来年9月の代表選、その後の解散・総選挙を考えれば、閣僚以上に重要なポストになる。党のカネと公認権を握っているからだ。

ところが、そんな仙谷外しは前原が飲めないのだ。

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