「完全実名制」のフェイスブックは日本で浸透するのか
〔PHOTO〕gettyimages

 本連載ではたびたびフェイスブックについて取り上げてきましたが、肝心のそのフェイスブックは日本で浸透するのか、という疑問を感じている方は多いでしょう。

 未来を予測することは難しいですが、私は2011年中には500万~1,500万人が使うツールに成長する可能性は十分あると考えています。逆にいうと、米国のようにインターネット人口の6割以上が利用するツールになることは考えにくく、精々日本ではインターネット人口比で15%程度に留まるでしょう。

(参考までに、mixi、モバゲー、GREEはそれぞれユーザー数約2,000万人です)

 日本にはフェイスブック以外にも様々な競合サービスが存在しているため、「今後フェイスブックユーザーになりうる人々」の大部分は、既に競合サービスを利用しています。

 フェイスブックやmixiのようなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、そのサービス上で構築した人間関係そのものが「楽しさ」であるため、既にオンライン上で保有している人間関係に満足している場合は、他のサービスに乗り換える理由が薄れます。

 SNSの最大の乗り換え理由となるのは「周りの友人も使っているから」というものです。ここ数年で海外に滞在した経験のある方の多くが、既にフェイスブックを利用しているのはこのためです。

 日本に暮らし日本語を母国語とする人たちに「周りの友人がみんなフェイスブックを使っている」という環境が用意されるには、まだ時間が掛かるでしょう。ウェブ業界に勤める私の周りでは徐々にそうした環境が整いつつあり、多くの友人がフェイスブックを利用しています。

 皆さんの周りではどうでしょうか。「周りの友人が使っている」という環境は、IT系業種のビジネスパーソンや、海外経験のある方々、学生などから徐々に広がっていくと予想されます。

実名制がフェイスブックの枷となる?

 実名制を取っている、ということも一部の人にとっては抵抗になるかも知れません。が、個人的には実名か匿名か、という議論はあまり意味をなさないように私は考えています。

 プライバシーの感覚は容易に変化していくものですし、何よりフェイスブックでは見ず知らずの人にも個人情報をオープンにするわけではありません。普通に使っていく限りは、既に自分の名前や年齢、嗜好などを知っている「面識のある人」中心のネットワークを築くことになるので、むしろ実名でない方が不自然です。

 フェイスブックで友人とつながることは、友人と連絡を取り合うために住所や携帯のメールアドレスを交換する感覚や、ビジネス上の付き合いで名刺を交換する感覚に近いでしょう。(実際にフェイスブック日本法人の児玉社長は、フェイスブックを「名刺や電話帳」になぞらえて紹介しているようです。[参考ブログ])

 その意味で、フェイスブック普及の鍵となるのは「携帯電話への標準搭載化」なのかも知れません。メールアドレスを交換するような場は、フェイスブックが拡大するチャンスでもあります。

 世界的には、フェイスブックと機能統合した携帯電話「フェイスブックフォン」の登場も噂されています。PCでアクセスするウェブサービスとしてではなく、携帯電話それ自体からフェイスブックの浸透が進んでいくことも十分考えられるでしょう。

 皆さんを煽るような言葉になってしまいますが、2010年にツイッターが世間を騒がせたように、2011年はフェイスブックが大きなトピックになってくることは間違いないでしょう。

 ターゲットが絞られるものの、フェイスブックはマーケティングツールとしては非常に優秀です。本連載では引き続き、冷静な視点でフェイスブックのビジネス活用について解説していきたいと思います。

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