田原総一朗×竹中平蔵 「2010年はニッポン経済のターニングポイントだった」緊急対談 アメリカ経済と日本政治の行方 VOL.1

2010年12月13日(月) 田原総一朗
upperline

田原 オバマさんの場合にはとにかく思い切って税金、つまり国のカネを使って企業を救済した。それと同時に、例えば健康保険などいろいろやった。それが意外に受けないんですね。なんで受けないんですか。

竹中 経済の実態をよくしていないからですね。

田原 だけど他にどういう手があったんでしょうね?

竹中 基本的にはもっと思い切った「損出し」をやらなければいけなかったと思うんですね。

田原 損出しって?

竹中 さっき言ったように不良債権を抱えてバランスシートが悪くなっていて、国民はそれで傷んでいるわけですから、一気に損を出してしまえばいい。

 一時的に倒産するようなところも出てくるかもしれませんけど、そのときは財政で景気を浮揚して、それで一気に損を出してしまったら今度は新しい発展に向かって行けるわけです。

 ところが、日本もまさにそうだったわけですが、損を出すのが怖いわけですね。

田原 オバマさんも、損を出さないで救済しちゃったわけだ。

竹中 ある意味でそうですね。さっき言った「ガイトナー・プラン」というのは、方向としては間違っていないんですけども、例えばガイトナーが見積もった銀行などの資本不足はIMFが事前に予測していた資本不足よりもずいぶん小さいんです。

田原 小さいの?

竹中 もっと不良債権があるだろうと、もっと過小資本だろうと、もっと本当は資本注入が必要だろうと、みんな思っていたわけですけども・・・。

田原 もっと注入しなきゃいけない、カネを。

竹中 まさに損を出したら資本がなくなっちゃうから資本注入しなきゃいけない。それが怖い、なかなか思い切ったことができないので長引いてしまう。90年代の日本はずっとそうだったわけですね。

ダイエーを守ろうとした経産省のホンネ

田原 竹中さんが仰ったことで一番印象に残っているのはダイエーの問題ですね。

スーパーのダイエーをどうするかと、あのとき金融庁は中途半端な救済をしたんですね。救済しないという手もあった。あそこで潰しちゃうという手も。あるいは救済するなら、あの2倍3倍救済する手もあったんですね。中途半端な救済で失敗したと。

次ページ 竹中 ええ、そういうことです。…
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事