経済の死角

孫正義を直撃!「風力発電で政商になるのか」
12基の風車が動く高知県の町がにわかに脚光を浴びる中、疑心暗鬼の声も

2011年08月26日(金) フライデー
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8月5日、東京都内で開かれた堀義人氏との公開討論会後に直撃。孫氏は「儲ける気はない」と話したが・・・〔PHOTO〕結束武郎(以下同)

 高知市から車で約3時間。大月町は、豊後水道に面した美しい海岸線沿いにある人口6000人あまりの小さな町だ。国道321号から町に入ると、通称ムクリ山と呼ばれる小高い山の尾根伝いに立ち並ぶ風車が見えてくる。全部で12基。そのうち10基ほどが稼働している。観光スポットになっているのかと思ったが、近づいても目立った看板などは何もない。

 こんな山の上の風車に、孫正義氏(54)率いるソフトバンクが10億円を出資し、一躍脚光を浴びている。地元民はどう受け止めているのか。50代の女性は、

「完成した当初はテーマソングを作ったり、町も盛り上がっていたけど、今じゃねえ。ソフトバンク? 知らないねえ」
と苦笑する。たばこ農家の男性も、

「ソフトバンクが出資したの? ま、ほとんどの住民はドコモかauだからな」
とつれない。町内で酒屋を営む男性は、しらけた表情で、こう突き放す。

「騒音がひどくて外に出られない。近くに住む人はエアコンをつけてもらったらしいな。でも、地元の人間が雇用されているわけでもないし県外資本ばかりだ」

 意外なことに、地元では風車の人気は高くないようだ。

「大月ウィンドファーム」と名付けられたこの風車群が完成したのは'06 年。発電事業を行っているのは、三菱商事や住友信託銀行などが出資する「グリーンパワーインベストメント(GPI・本社東京)」だ。今年6月、ソフトバンクがGPIの第三者割当増資に応じ、44%の株式を所有する筆頭株主となったのだ。

 孫氏といえば、東日本大震災後、私財の100億円を義援金として寄付する一方、精力的に脱原発発言を続けている。5月14日には菅直人首相と会食し、首相の浜岡原発停止要請を評価するとともに、今後のエネルギー政策について提言。首相は太陽光エネルギー導入に強い興味を示し、「再生可能エネルギー特別措置法」の成立に熱を上げるようになった。

次ページ  その間、孫氏は、東北地方の太…
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