ついに第2幼稚舎を開校する 慶応ブランドの愉しみ方 早稲田なんか相手にしていません

2012年02月16日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 なお、昨年秋に選出された評議員のリストから、主な財界人の名前を挙げてみると、安西邦夫・東京ガス特別顧問、大橋洋治・全日空会長、小林陽太郎・富士ゼロックス元会長、佐治信忠・サントリーホールディングス会長兼社長などなど。つい先日まで東電社長を務めていた清水正孝氏も評議員の一人だ。

 だが、このリストを注意深く見ると、有名企業に混じって、聞いたことがない会社の社長や会長も名を連ねていることがわかる。

「じつはそういう人こそ、OBの実力者なんです」
と、前出のメーカー勤務の慶応OBが言う。

「幼稚舎のなかにも序列があり、一流企業の管理職の子供よりも、都内にコインパーキングをいくつも持っているような土地持ちの家庭の子供のほうがステータスが高い。他にも、浅草の老舗貴金属店の息子とか、サラリーマンの雇われ社長などとは比べものにならないケタ外れのカネ持ちの子弟が幼稚舎にはいる。彼らがグループを作り、慶応ブランドの頂点に立っているんです」

 庶民には縁遠い世界だが、こういう地元の名士から、親子3代にわたって慶応幼稚舎出身というような純血慶応ボーイが生まれるのだ。

驚くべき「慶応愛」

 では、慶応OBたちは普段、どこで結束を強めているのか。たとえば、帝国ホテルには慶応OB限定の会員制クラブ「東京三田倶楽部」があるが、銀座8丁目にはやはりOB限定のラウンジ「銀座BRB」がある。ちなみにこの名称は、慶応のシンボルである「青・赤・青の下地にペンマーク」から、その色の頭文字をとったもの。正会員になるには、入会金と年会費合計で通常8万4000円が必要だが、会員同士の交流会や現役教授を招いての講演なども行っている。

 野球やラグビーなど、早慶戦(慶応出身者は「慶早戦」と呼ぶ)の後、新宿に繰り出す早稲田に対し、慶応勢は銀座が定番。彼らは学生時代から通い慣れた銀座で、ワイングラス片手に「慶応ブランド」を愉しんでいるのである。

 もともと実業界での活躍が目立った慶応OBだが、最近では政界にも一大勢力を築いている。幼稚舎出身、民主党の糸川正晃衆院議員がこう言う。

「自民党の大島(理森副総裁)先生は慶応の大先輩ですが、『先輩!』と声を掛けると、『おお、糸ちゃん、頑張ってるか』と言ってくださいます。党派を超えて接することができるのは、やはり慶応のいいところだと思いますね。永田町に、もし『慶応党』ができたら、まとまりのいい政党になると思います」

 同じく慶応OB、自民党の小里泰弘衆院議員は、驚いたことに「いま慶応出身の国会議員は66人います」と、その正確な数を口にして、こう続ける。

「国会議員の三田会では、年に1回、塾長などを呼んで懇親会を開きます。もちろん党派は関係ありません。これから与野党の連携が重要になるでしょうから、こういう党派を超えたつながりは貴重です。とくに自民党は、大島副総裁はじめ、石原伸晃幹事長、石破茂政調会長、参議院会長の中曽根弘文さんと、幹部に慶応OBが多いんです」

 内部抗争に明け暮れる民主党では、あの小沢一郎元代表も慶応出身。慶応党ができて、日本のためにまとまるなら、そんな政界再編も悪くないが・・・・・・。

 ともあれ、他校出身者には、ときに奇異にも見える慶応OBたちの愛校心と一体感。2年後に開校する第2幼稚舎からも、「慶応ブランド」の空気を色濃くまとった卒業生が輩出されることになる。

「週刊現代」2011年9月3日号より

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