雑誌
ついに第2幼稚舎を開校する
慶応ブランドの愉しみ方
早稲田なんか相手にしていません

週刊現代 プロフィール
慶応義塾三田キャンパス。ペンを象ったシンボルマークが目印だ

 世に学校は数あれど、その名を聞いただけで特別なイメージを想起させるところはそう多くない。なかでも「慶応」は、卒業後もOBたちが集まり、ブランドイメージを高めていく点で希有な存在だ。

両方は受けられない?

 慶応義塾が2013年4月に「第2幼稚舎(小学校)」と言うべき慶応義塾横浜初等部を開校させると発表したのは、2011年8月4日のこと。場所は横浜市青葉区で、入学定員は108人、卒業生は藤沢市の慶応湘南藤沢中・高等部に原則、全員進学するという。

 このニュースを受けて、お受験業界はにわかに活気づいた。我が子も慶応に通わせたいと考えるOB、OGはもちろん、慶応ブランドに憧れる親たちの間でも、まだ開校が決まっただけだというのに「幼稚舎に受かりそうな子は第2幼稚舎には受からない」「試験日程を一緒にして、両方受けられないようにするそうだ」といった根拠のない噂が早くも飛び交っている。

 日本には早稲田や日本大学のように小学校から大学まで多角的に経営する学校法人は少なくないし、東大や京大に学力では及ばない(医学部は別)。それなのに「慶応」の二文字には、特別な「ブランド」イメージを感じさせるものがある。一言で言えば「ワンランク上」という雰囲気。このイメージはどこに起因するのか、慶応を卒業すればどんなメリットがあるのか---。

 まず、東急田園都市線江田駅の近くにある「第2幼稚舎」の開校予定地を訪ねた。多摩ニュータウンや青葉台に代表される洒落たイメージの田園都市線沿線にあって、江田駅周辺はまだ畑が残るのどかな一帯だ。駅から徒歩10分足らずの開校予定地では、すでに建設工事が一部始まっている。フェンスにあった看板には建築主として「慶應義塾理事長 清家篤」の名が。ここに地上4階の建物が4棟建つ計画である。

 地元不動産業者に聞いた。

「'07年に一度、ここに慶応の小中一貫校を作る計画が発表されたことがあります。そのときは『9年間同じ校舎に通わせられる』と青葉区内に住宅を求める人が増えました。今回は神奈川県の認可が下りたのも最近ですし、まだ慶応が進出すると知らない人も多いと思いますが、これからこちらに引っ越しを考える人が増えるのかどうか」

 この不動産業者が言うように、実は第2幼稚舎計画は慶応義塾創立150周年記念事業の一環として生まれ、当初は'11年の開校予定だった。ところがリーマンショックや資産運用の失敗などで延期。小中一貫校だった計画も見直され、'13年に初等部のみの学校として開校されることになった。言ってみれば、慶応にとって2年遅れの悲願達成。ちなみに150周年記念事業では、総額約286億円の募金を集めた。OBを中心にした集金能力の高さも慶応の特色の一つである。

 この第2幼稚舎設立のニュースが、お受験業界をあっという間に駆けめぐったのも当然で、なにしろ東京・恵比寿にある慶応幼稚舎といえば、小学校受験の最高峰。それだけに各界著名人の子弟も多く、'09年度には、あの「番長」清原和博氏の長男が合格して話題になった。その他、主な有名人だけでも、原辰徳、古舘伊知郎、森進一、加山雄三、秋元康、斉藤慶子といった各氏が子供を幼稚舎に入れている。昨秋行われた'11年度の選抜考査では定員144名に対して1944名が応募。倍率13・5倍という狭き門だった。

 その慶応幼稚舎がもう1校増えるとあれば、我が子が慶応に入れる可能性が高まったと思うのは、親として無理からぬ反応だ。ここに入学を果たせば、慶応湘南藤沢中・高を経て、慶応大学までエスカレーター式に進める。しかも、この幼稚舎時代から形成される慶応ネットワークは、社会に出た後もOBを結束させ、日本社会に慶応閥という一大人脈を作り上げる。

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