米モバイル市場の再編が進むか
グーグル、モトローラ買収後の戦略

国際家電ショー2011で、派手な展示を展開したモトローラ・モビリティー (2011年1月、CESで筆者撮影)

 ハイテク業界にあまり縁のない読者も耳にされたと思うが、8月15日、検索業界大手のグーグルが米モトローラ・モビリティ・ホールディングス(以下モトローラ)を125億ドルで買収すると発表した。以来、米国のメディアでは「モトローラ買収」の関連記事が飛び交っている。

 今回は同買収が米携帯モバイル業界の再編を促すか - について検討してみたい。

グーグルの意外な弱点、特許戦争

 米国メディアでは、多種多様な観測記事が飛び交っている。特にブログ系の業界誌は、マイクロソフトとの競争説や米国企業同士の救済説など“興味深い見方"が多い。こうした大型買収では、常に複数の理由が存在するとはいえ、買収の主たる理由は、グーグルのパテント競争力強化であることは明白だ。その他の理由は、読み物としては面白いが、副次要因と言えるだろう。

 買収の記者発表で同社は、携帯OSアンドロイド(Android)がパテント戦争にさらされており、その防戦のために“モトローラが持つ1万7,000件におよぶ特許を確保したかった"と解説している。

 確かにグーグルのアンドロイドOSは、マイクロソフト、オラクル、アップルなどから叩かれている。オラクルはアンドロイドをJava特許侵害から攻め、マイクロソフトはアンドロイド端末メーカーのHTCやサムスン電子に特許使用料で圧力を掛けている。

 また、アップルはサムスン電子のタブレット“Galaxy Tab 10.1"が形状や操作方法などで“iPad"を模倣したとして、全世界で侵害訴訟を展開し、欧州では販売差し止め騒ぎにまで追い込まれている。

 本来であれば、グーグルはアンドロイド陣営の各社を守るため、カウンター・スー(対抗訴訟)を起こして戦わなければならない。そうした事例は多い。たとえば、第3世代携帯はクワルコム社のCDMAとGSM陣営(W-CDMA方式)に分かれている。過去、クワルコムが高い特許料でGSM陣営各社に圧力を掛けたとき、GSM盟主であるノキアはクワルコムと長期にわたる訴訟戦を展開した。

 しかし、ウェブ・ソフトウェア分野で伸びてきたグーグルには、競争相手を訴え返そうにも、関連特許を持っていない。おかげでHTCなどの端末メーカーはグーグルの支援なしで特許訴訟を戦う羽目になっている。

 こうした状況は、アンドロイドがモバイルOSとして生き残れるかどうかを左右する。グーグルにとっては、非常事態とも言える。

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