オバマ大統領のネット政策を葬った米国中間選挙 vol.3
ブロードバンド規制の強化はどうなる
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 11月の中間選挙でオバマ民主党政権が負け、規制強化を狙っていた『ネットワーク中立性政策』が大きく後退したことについて、過去2回にわたり解説してきた。

 オバマ民主党政権におけるネット政策は、2010年3月に発表された全米ブロードバンド計画(National Broadband Plan)に集約されるが、最終回は、同計画の柱となっている"無線ブロードバンドの普及"と"ユニバーサル基金改革"に対する今後の見通しを考えてみよう。

田舎・僻地向け無線ブロードバンドはどうなる

 米国の面積は日本の約26倍あり、光ファイバーやケーブル・モデムによる有線ブロードバンドを隅々まで整備することは難しい。そこでオバマ政権は、設備投資が少なく、僻地にも強い"無線ブロードバンドの普及"を大きく打ち出した。

 この無線ブロードバンド整備では、

1) 僻地・田舎での無線ブロードバンド建設、

2) 都市部を含めた携帯データ網の高速化(4G)

 というふたつの側面がある。

 最初の僻地・田舎での整備は、オバマ政権になって大きく拡大している。たとえば、2010年10月、米農務省は僻地基盤整備基金(Rural Utility Service Fund)の第2次交付金を約40社の無線ブロードバンド事業者に与えた。

 交付を受けた事業者の一部を紹介すると、EcliptixNet Broadband社は、ワシントン州西部の山岳地帯でWiMAX技術を使った無線ブロードバンド建設をおこなうため、2,040万ドルの助成金を獲得している。同ネットワークにより、46,000世帯がブロードバンドを利用できるようになる。

 また、DigitalBridge Communications社(本社バージニア州)は750万ドルの助成金を受け、アイダホ州、インディアナ州、ミシシッピー州の田舎でWiMAX網を整備し、76,000世帯にブロードバンド・サービスを提供する。

 こうした僻地助成は農務省だけではない。オバマ政権では2009年景気対策法の一環として商務省にもブロードバンド振興予算を割り当てている。こちらの交付も現在、徐々に始まっている。しかし、野党共和党は国家予算が厳しい現状で、こうした助成金を「ばらまき行政」と批判している。

 中間選挙の勝利した共和党は、来年1月から始まる第112連邦議会で議会運営の主導権を握るため、こうした地方向けブロードバンド振興予算は、削減の方向で見直しが始まるだろう。

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