伊藤博敏「ニュースの深層」
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海老蔵事件の背景に女とクスリと暴力が絡む「似非セレブ」相関図

暴力団幹部も嘆く元暴走族たちの無秩序

2010年12月02日(木) 伊藤 博敏
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〔PHOTO〕gettyimages

 昨年夏、テレビのワイドショー、週刊誌、夕刊紙、スポーツ紙を席巻したのが、酒井法子(のりピー)夫妻の覚せい剤事件と、押尾学の合成麻薬MDMAによるホステス死亡・遺棄事件だった。

 この時、精緻な相関図が幾通りも出回り、「次の事件」を予感させた。それほど芸能界と会員制クラブ、そしてクスリは密接にかかわっていた。

 俳優、タレント、歌手、モデル、元暴走族、元チーマー、クラブ経営者、格闘家、警察官僚OB、ベンチャー経営者、政治家の二世、芸能プロダクション代表・・・。

 相関図に登場する人物たちは、なぜツルむのか。

 こう質問した時、元暴走族のクラブ経営者の答えは明確だった。

「価値観とライフスタイルが同じなんです。みんな自分の能力と実力で生きており、そのことに自信を持っている。女なら顔やスタイルや声は重要な売り物だし、男ならそこに頭脳や度胸が加わる。彼らは、店を起こし、会社を立ち上げ、それなりのカネを持つ。ある意味、成功者で、みんな"一般人"とは違うという特権意識があります。

 時間とカネを自由に使える人間たちが、同じレベルの友人と、心地いい空間を求め、会員制クラブやクラブのVIPルームに集まり、深夜まで群れて遊ぶ。そこにはいい女と酒がある。そんな空間が、麻布、六本木、青山、渋谷あたりに存在するんです」

 クラブ経営者は認めなかったが、その空間にクスリが介在することは、のりピー・押尾事件が象徴している。

 私は、当時、そうしたセレブと勘違いした人間たちの様子を「『似非セレブ』相関図」として記事にしたことがあるが、今回の「海老蔵殴打事件」は、その構図のなかで生まれたものである。

 事件があった西麻布のビルの会員制クラブは、上場したベンチャー企業経営者が出資、元Jリーガーが経営を委ねられていた。

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