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被害者続出! 素人は大やけどする
外貨預金 買ってはいけない

「おススメできる商品ではない」とプロたちが口を揃える。預金と名はつけど、元本割れするケースが続出しているからだ。銀行マンは教えてくれないそのカラクリと、被害の実例をお伝えします。

解約したら、300万円の大損

 8月2日がヤマと言われていたアメリカのデフォルト危機が去り、さらに日銀が為替介入までしても、円高が止まらない。このタイミングで個人マネーを呼び込もうと狙うのが「外貨預金」だ。

「これ以上円が上がるとは考えられないので、いまが買い時だと思います。圧倒的に人気なのは米ドルの定期預金ですが、豪ドルも高金利なので購入される方は多いですよ」(メガバンクの窓口担当者)

「日本人のお客様は1日に10人ほどいらっしゃいますが、ほとんどが外貨預金を検討されている方々です。新興国通貨はこれからもどんどん上がっていきますから、当行としてもおススメですね」(外資系銀行の窓口担当者)

 余裕資金の投資先に悩んでいた中高年の間でも、「外貨預金」への関心が高まっているようだ。

「人気の背景には日本国債への危機感がある。巨額の財政赤字で大量発行されている国債が暴落すれば円の価値はなくなるので、円を持っていたら大変だと思う人たちが外貨預金に走っている。過去の日本の高金利が忘れられない50代、60代の方で、外貨預金の金利の高さに飛びついている人も多い」(ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏)

 ただ、こんな過熱振りをよそに、「外貨預金に泣かされた人たち」が続出していることはあまり注目されていない。たとえば国民生活センターには、今年に入ってこんな相談が寄せられている。

【3月の相談】

 80代の父親がリスクの説明もされずに円定期と外貨預金のセット商品を契約したが、これが満期になって元本割れしたので損失を補填して欲しい。父は以前からリスクのある商品は契約しない方針で、その旨は銀行にも伝えてあったのに、担当者は危ない商品ではないと薦めてきた。

【6月の相談】

 80代の母親が契約した外貨預金が満期となったが、元本割れして損をした。500万円を預けたが、戻ってきたときには420万円ほど。今後、業者にはハイリスクな商品を母に薦めないで欲しい。

 いずれも外貨預金で損を被ったことに怒った被害者の声。こうした相談は「外貨預金だけではないが、元本割れの恐れがある特定預貯金に限って今年だけですでに34件の相談が寄せられている」(国民生活センター相談情報部)という。

 都内在住のA氏(65歳)も外貨預金で大損した一人だ。退職金4000万円を普通預金に全額入れていたが、1000万円を超える部分はペイオフの対象にならないと知り、安全な投資先はないかと銀行窓口で相談したところ外貨預金を薦められた。

「同じ預金ですけど、外貨預金なら円定期の何倍もの利息がつきますよ」

 そう言われて米ドル定期預金に2000万円ほどを預けたという。金利は1%弱。当時はドル円相場が95円ほどだったため、「反転すれば為替差益でも儲かる」と言われ、さらに「おいしい」と思ったという。

 しかし今年に入って満期を迎えようとしていたところ、大震災以降の円高で為替相場が急転。ドル円相場が80円を突破したため、満期解約すると利息分を軽く相殺して300万円近くの損失となる事態に陥っているのだ。

 ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が言う。

「外貨預金でもっとも大損をくらうのが、こうした為替相場が大きく変動したとき。たとえば米ドルの外貨預金なら、満期時にドルを円に戻して受け取るため、その時の為替レート次第で元本の価値が想像していなかったほど目減りする可能性がある。満期日の為替レートがいくらになるかはプロでも予想するのは難しいため、大損する人も出てくる」

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