雑誌
被災地の英雄たち 全国民必読
感動!ここに誇るべき日本人がいる

自分よりも他者を優先して生きている人間が
こんなにいる

 あれから5ヵ月が過ぎようとしている。被災地はいまも助け合って、生きる道を探っている。先が見えにくい中、黙々と汗を流し続ける人たちがいる。自分に何ができるのか、そのことを問いかけながら。

先生たちに休んでもらおう

 若き英雄たちがいる。

「チーム立花」という名のボランティア軍団が、被災地で世界でも例のない活動をしている。宮城県石巻市立雄勝中学(市内の高校に間借り中)を覗いた。

 中学1年生が英語の授業を受けている。先生は若く大学生にも見える。

「先生、I LOVE YOUってどういう意味?」

 生徒がからかい、教室が笑いに包まれる。一方、3年生の教室には緊迫感が漂う。歴史の授業だ。先生が板書するポイントを生徒たちは熱心に書き取る。廊下には「志望校合格」と張り紙がされている。

 実は、これらの授業がすべて、ボランティアの手で行われているのだ。同校の阿部紀子教頭が語る。

「校長が懇意にしているチーム立花の皆さんがサマースクールを運営してくれているんです。教師も全員が被災者ですから、夏休みの子供たちを見てもらえるのは本当に助かる。特に3年生は、受験対策が大きな問題でしたから」

 サマースクールの名前は「たくましく生きる」を意味する「たく塾」。チーム立花のメンバーで同塾の責任者、山本圭一さん(32歳)が説明する。

「目的は生徒の学力・体力の向上と、先生に自分の時間を持っていただくこと。震災以来、先生方もまったく休んでないですから。毎日、ほぼ全員の生徒が参加してくれています。授業を担当するのは大学生ボランティア。ただし、3年生は仙台の進学塾さんに協力してもらい、プロの講師に教えてもらっています」

 阿部教頭が言う。

「年の近い先生なので生徒も気軽に質問できるようです。東北なので元々シャイな子が多いのですが、震災直後とは別人のように前向きに活動しています。親を亡くした子も多いので、子供が活き活きしている姿を見ると嬉しくて」

「チーム立花」は、リーダーの立花貴さん(42歳)が民間校長で話題をさらった和田中学校(東京・杉並)の藤原和博元校長のアドバイスを受け、結成した。立花さんは仙台市出身で、商社勤務を経て食品流通会社などを経営していた。

「教育だけでなく、私の前歴を活かして給食の充実も目指しています。給食センターが被災した石巻では給食が提供できないので、私たちが毎日、昼食を作って届ける。他に、チームのメンバーであるパティシエが作ったケーキを、各地の避難所の子供に届ける活動もやっています」

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら