日本のソーシャルメディアをビジネスに活用する

 前回の記事(「ビジネスにとってソーシャルメディアとは?」)では、既存のメディアと比較したときに、ソーシャルメディアはどういった特徴があるのか、という点を解説しました。ソーシャルメディアの活用に踏み出す前にぜひ理解して頂きたいのは、市場として見た時の日本のソーシャルメディア業界の特殊さです。

 米国ではフェイスブックのインターネット普及率が60%を超えており、都市圏では老若男女、ほとんどのユーザーがフェイスブックを使っていると言われます。米国にも様々なソーシャルメディアが存在していますが、企業として取り組む上ではとりあえず多くのユーザーがいるフェイスブックを使っておけば間違いはない、という状態にあると言えるでしょう。

 翻って日本はというと、フェイスブックのようなメガプレーヤーは存在せず、最も普及しているmixi、モバゲー、GREEでもそれぞれユーザー数約2,000万人強と、インターネット普及率で見ると20%程度であることが分かります。

 ある程度普及したと言えそうなツイッターでも、訪問者ベースで1,700万人程度(2010年11月時点, Google Ad Planner調べ)と、やはり普及率で見るとそう高くはないことが分かります。今注目のフェイスブックも、成長が予測されるものの、現時点では国内のユーザー数は200万人に届いていません。

 やや乱暴ですが、イメージを掴んでいただくために日米でソーシャルメディア業界を比較した図を作成してみました。日本にはインターネット人口の20%程度を獲得しているプレーヤーが4事業者いるのに対して、米国ではフェイスブックが単独で60%を占めています。

日米ソーシャルメディア概念図

日本では「なぜ」の問いかけが一層重要

 ソーシャルメディアを活用していく上では「なぜそのツールを使うのか?」という問いかけが大切です。活用する理由は様々なものが考えられますが、「流行だから」という理由は避けるべきです。

 多くのユーザーがフェイスブックを使っている米国などでは、言葉は悪いですが、深く理由を考えることなく「とりあえず」フェイスブックを使うという選択肢がありえてしまいます。

 一方様々なツールにユーザーが散在している日本では、各ツールで接触できるユーザー層や取りうるコミュニケーションに差異があるため、「なぜ」の問いかけが一層重要になります。

 例えば、主婦や学生などには積極的に使われていないツイッターを使って、そうした層にアプローチすることは非効率と言えるでしょう。この場合、ツールとして相応しいのはmixiかも知れませんし、そもそもソーシャルメディアではなく、メールマガジンや携帯サイト、紙媒体かも知れません。

 企業と消費者が取れるコミュニケーションにも、各ツールで差異が生じます。例えばソーシャルゲームプラットフォームであるモバゲーやGREEで、ソフトバンクがツイッターで行っているようなカスタマーサポートを提供することは難しいでしょう(参考:つぶやきでカスタマーサポートを提供するソフトバンク)。

 フェイスブック、ツイッター、mixi、モバゲー、GREE・・・日本には様々なツールがあります。皆さんが使おうとしているツールは、ターゲットとしているユーザーに的確に接触することができるでしょうか。

 そのツールを通して、何を目的に、どんなコミュニケーションを行うことができるでしょうか。新しいツールは続々と現れてきますが、特殊な市場である日本だからこそ、よく考慮して取り組むべきでしょう。

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