ビジネスにとってソーシャルメディアとは?
オンラインクチコミのメディア

 本連載で取り上げ続けてきた「ソーシャルメディア」という言葉を、今回は改めて振り返ってみたいと思います。

 立場や切り口によって様々な解釈がありえますが、私はビジネスにとって「ソーシャルメディア」は「オンラインクチコミのメディア」という認識をしています。

図:ソーシャルメディアの位置づけ

 ごく簡単な図を用いて説明したいと思います。左半分はオフラインの世界、右半分はオンラインの世界を示しています。

 消費者はまず初めにマスメディアやウェブニュース、バナー広告などによって、企業の商品やサービス、ブランドについて「注意・認知」をします。

 注意・認知をした消費者は、次に「比較検討」プロセスに入り、最終的に購入などの「意思決定」に至ります。この「比較検討」「意思決定」の過程で影響をもたらす情報源は「友人や知人のクチコミ」だと考えられます。

 意思決定に至るプロセスは商材にも寄りますが、例えば映画などを想像していただくと分かりやすいでしょう。皆さんも、新しい映画が公開されたことをテレビや新聞などで「認知」し、友人からクチコミとして映画の評判を聞き、他の作品と「比較検討」し、見に行くかどうかを「意思決定」することは良くあると思います。

クチコミはオンライン化し、広がりやすくなった

 ソーシャルメディアが登場する以前、友人や知人のクチコミは、学校や職場、井戸端会議の場のような、ごく狭い範囲でのみ伝播していました。例えば、渋谷のカフェで原稿を書いている私が、遠く北海道で発生しているクチコミを知ることは、ソーシャルメディアが登場する以前ではほとんど不可能だったはずです。

 ツイッターやブログを代表とする「ソーシャルメディア」は、人々が手軽にウェブ上に情報を発信することを可能にしました。これによって、これまでオフラインの世界で発生していたクチコミは、地理的・時間的壁を越え、オンラインの世界で広く伝達されるようになりました。

 例えば私がマクドナルドでハンバーガーを食べ、味の感想をツイッターに投稿すれば、様々な場所に住んでいる私のフォロワーの方々に、リアルタイムで情報を伝えることができます。(現在ケニアで事業を行っている知人も私のことをフォローしているため、私のつぶやきはケニアまで無料で届けることができてしまいます。そう考えると驚きです。)

 加えて、ツイッターやフェイスブックは、「RT(リツイート)」や「いいねボタン」といった、受信した情報を自分の友人へバケツリレーのように伝える仕組みを備えています。私が「シェアする価値のある情報」をつぶやけば、それは私の友人から、彼の友人へ、さらにその友人へと、二次・三次・四次伝播と無数に広がっていきます。

 例えば、あるユーザーがツイッター上に投稿したこの愛らしい「ハヤシライスに浸かる目玉の親父」の画像は、ツイッター上で話題になり1日で数十万人のユーザーの目に触れました。

 始めは写真を撮影したユーザーの知り合いだけに伝えられた情報でしたが、受信したユーザーによる「共有」の力で数十万人へと情報が拡散していったのです。

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