雑誌
ビックリ試乗記 PART2
スズキと仲良しVW 共同戦線発表会

スイフトPHV&ゴルフEV公道初試乗
左)VWゴルフブルーeモーション
右)スズキスイフトレンジエクステンダー
浜松市の産学官が一体となて次世代環境車の走行実験を10月7日からスタート!

 次世代環境車の普及と産業化の促進に向け、浜松地域の産業界、大学、行政の産学官15機関が結束して今年5月に設立されたオール浜松体制の「はままつ次世代環境車社会実験協議会」。

 その走行実験開始式が10月7日、静岡文化芸術大学で行なわれた。

 走行実験に使われる車両はスイフトのプラグインハイブリッド「スイフトレンジエクステンダー」がなんと~ッ!! 25台、スズキ株を19.9%をもつ資本提携先のVWがゴルフのEV、「ゴルフブルーeモーション」を提供。

スズキ、VW、ヤマハなど産業界は10企業・団体、大学は3団体、行政は浜松市、静岡県(オブザーバー)の2団体、浜松地域の産学官15機関で構成される「はままつ次世代環境車社会実験協議会」が車両走行実験を開始

 そのほかスズキの電動バイクの「e-Let,s」、ヤマハの電動バイク「EC-03」も実験車両として、浜松市や協議会参加機関が業務で実際に使用される。さすがにクルマとバイクの街だぜ。

 充電インフラだが、現在浜松地域には市役所に普通タイプ1基のみ。

 急速充電器がららぽート磐田にしかないため、来年3月までに、民間が普通充電器15基、急速充電器5基、浜松市が普通充電器7基と急速充電器3基を新設し、社会実験を後押しする。実験は来年8月末までを第1期とし、計3年程度実施する予定。

スイフトレンジエクステンダー(PHV)、ゴルフeブルーモーション(EV)のほか、電動二輪車のヤマハEC–03、スズキe–Let'sが走行実験に参加

 会場には鈴木康友浜松市長のほか、鈴木修スズキ会長兼社長、VW本社からゴルフEV開発プロジェクトリーダーのカーステン・フレーク氏も駆けつけた。これはもしやスズキとVWがEVやPHVを共同開発するのか?

 鈴木修会長兼社長は「電池切れの心配がなく、軽量にできるし、充電時間が短い。今の時点でレンジエクステンダーが商品化するのは最も近い」と明言。

 また「200~250cc程度のバイク用エンジンを発電用エンジンに使えばさらに燃費が向上するだろう」と発電用エンジンの小型化を目指す方針も示した。

実験開始に向け鈴木修スズキ会長兼社長は「浜松市の産学官が一体となって次世代環境車の社会実験をするのは画期的なこと」と今後に期待をよせた

 いっぽう、VWのカーステン・フレーク氏は、「完全なEVに力を入れている」と強調し、共同開発については「スズキがVWの技術に興味をもてば考えられるが、今回の実験が直結するわけではない」と明言を避けた。

 ただ両社ともに三洋電機製のリチウムイオン電池を使っているので、VWとスズキの共同開発は、実際にはVWには関係ないはずの浜松でこんなに親しくしているのだから、今後急加速するだろう。

660ccのエンジンに55kWのモーターで充電時間は約1.5時間!

アルトなどに搭載されているK6A型660ccの直3エンジンの改良型を発電用の補助エンジ ンに使う。モーターは最高出力55kW(75ps)、最大トルク18.4kgm。EV走行は約15km、 充電時間は100Vで約1.5時間、200Vで約1時間。リチウムイオン電池は三洋電機、モーターとインバーターは三菱重工業製

 さて、セレモニーの後にスイフトレンジエクステンダー(以下スイフトRE)とゴルフブルーeモーションに乗る機会があったのでさっそく報告。

 スイフトREはバッテリーの電力だけで15km走行でき、バッテリーの残量が少なくなると、660ccのガソリンエンジンで発電して電力を供給する仕組み。EVとの違いは発電用のエンジンを備えるため、電池切れの心配がなく、重く高価なバッテリーを積む必要がない。

 ハイブリッドやEVに比べ軽量化が図られ、量産コストも下げられるという実にスズキらしいプラグインハイブリッドだ。

 電池容量は2.66kWh、充電時間は100Vでは約1.5時間、200Vでは約1時間で現時点では急速充電には対応していない。

 とはいっても、フル充電と43ℓのガソリンタンクを満タンにして、走行しながらの発電で無給油の連続走行が約1115km走行できるというから心配なし!

 フロントボンネットの下には改良型K6A型(54ps/6.4kgm)の660ccエンジンに、55kW(75ps)、18.4kgmの電気モーターを搭載している。

 さっそく、ハンドルを握ってアクセルを踏み込むとヒューンという人工音発生装置とともに発進。1.2ℓエンジンと変わらないほどの加速感だ。

 アクセルから足を離すと左側の電力消費メーターの針が「CHARGE」の領域に振れ、回生ブレーキによって充電が行なわれていることがわかる。シフトレバーをDからBの位置にするとググッとエンジンブレーキの効きがよくなったような感覚。

 途中、電池の残量が減り、「ブブーン」と発電用のエンジンがかかったのを確認。試しにアクセルを強く踏み込むと、エンジンの回転が上がった。一瞬エンジンで走っているのかと思ったが後で開発担当者に聞いてみると人間の感性に合わせてエンジンの回転も少し上がるらしい。

3連メーター以外、専用のエネルギーモニターはない

 意外に"普通"に走れたのですぐにでも発売してほしいと思ったが、ラゲッジに電池や充電器を収めたため荷物を積むスペースがまったくないこと、プリウスのようなエネルギーモニターがないことは残念。

 もっとも開発責任者によると、市販する時にはこの点は解決するとのこと。鈴木修会長も「まだおもちゃの段階、これから走行実験を煮詰めていく」とのことだから、2、3年後に発売予定の市販車に期待したい。

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