雑誌
本当は強いニッポン

三流政治家と腐れ官僚はもう置いていこう

 CNNが日本大特集
世界で一番住みやすい国・ノルウェーの「毅然とした姿勢」に学ぶ
柔の道---力でなく、技で勝負

 探査機「はやぶさ」のカプセルから、小惑星イトカワの微粒子が確認された。月より遠い天体の物質を持ち帰ったのは世界初。やっぱり日本の技術は凄かった!

楽天と『すきやばし次郎』を

 アメリカのCNNは、11月13日から1週間のぶち抜き企画として、日本特集を組んだ。この期間は30分の特別番組を皮切りに、連日、CNN東京支局特派員が都内から世界に向けて生中継も行った。

 番組の内容も、障害者のための歩行補助ロボットの開発や楽天の社内公用語を英語にする取り組みを取り上げる一方で、アニメ文化を紹介したり、ミシュランガイドで三つ星に輝いた寿司店『すきやばし次郎』の小野二郎氏にインタビューするなど、経済面だけでなく、日本の文化を伝えるものも多かった。

 同社東京支局スタッフが、企画意図を説明する。

「日本は人口の4人に一人が65歳以上になる高齢化問題など、大きな転換点に差し掛かっていることは間違いない。しかし、番組でも取り上げたように、世界で最も人口密度が高い東京で『狭小住宅』を作る建築家や『すきやばし次郎』の小野二郎氏のような職人もいる。また、テクノロジー分野では相変わらず世界トップクラスだし、アニメのような世界に通じるカルチャーもある。

 日本の人々は元気を失っているようですが、外から見れば、まだまだ日本は伸びる可能性があるし、そのための工夫もあらゆる分野で行われている。変革期に立つ日本の姿は、全世界で2億6000万世帯を超えるCNNの視聴者にも、きっと関心を持ってもらえると考えました」

 ちなみに、この日本特集に関連して、菅直人首相も同局に出演。「トーク・アジア」というコーナーでインタビューを受けている(11月17日放送)。世界ネットのテレビ番組には初出演となる菅首相は、尖閣問題について聞かれ、次のように答えた。

「領土問題は、その国の国民に強い感情を引き起こすものだ。でも、5年、10年後に我々がどう対処したかを振り返ると、私の内閣が冷静に対処したことがわかると確信している」

 テレビでは偉そうなことを語っているが、ホスト国として臨んだAPECでは、中国の胡錦濤国家主席、ロシアのメドべージェフ大統領と会談するのに、官僚に作らせたペーパー片手に棒読みするだけ。菅首相のパフォーマンスを見やる各国首脳の白けた表情ばかりが印象に残った。

 いつ交代するかわからない日本の首相の支持率稼ぎに付き合っている暇はない。それが首脳たちの本音なのだろう。

 では、日本という国家も、無視することができるのか。答えはノーだ。三流政治家や、それを操る腐れ官僚はもう置いておいて、それよりもCNNが大特集を組むように、いまも世界が日本に注目している事実にこそ、目を向けるべきだろう。

 実際、日本は世界的に見れば、まだまだ豊かな強国である。その実例については後述するが、中国との「民力」を比較した下の表を一覧するだけでも、日本がいかに圧倒的優位かわかるはずだ。では、なぜ、日本に住んでいて自分の国に自信が持てないのか。

 それは、国連開発計画が毎年発表する「人間開発報告書」の最新ランキング1位、世界で一番住みやすい国ノルウェーと比較することで見えてくる。ノルウェーにあって日本にないものを知るために、少し脇道に逸れるが、ノルウェーという国について紹介する。

 まずは同国の客観的なデータを示しておこう。国土面積は日本とほぼ同じものの、人口はわずか490万人ほど。日本でいえばちょうど大阪市と名古屋市を足したくらいの人数だ。もともと漁業中心の国だったが、'70年代に北海油田が見つかったことで、財政状況は一変した。

 国民一人あたりのGDPでは世界第2位を誇る。ただし所得に占める税負担率は高く、日本が40%ほどなのに対し、ノルウェーでは60%近い。

「確かに税金は高いですが、目に見える形で還元されるから不満が少ないのです。子供手当制度も以前からあるし、年金制度がしっかりしているから老後の心配もいらない。感覚としては個人に代わって、国が貯金してくれているという感じです。油田からの利益も半分は未来のために残そうと、政府がファンドを組んで、環境対策や社会貢献に力を入れている企業に投資している。

 ノルウェーも日本と同じく高齢化が進んでいますが、それは20年以上前から予想されていたことです。そこで働き手を増やすために、女性が社会で働きやすくする政策を次々に取ってきました。40歳以上の夫婦はほとんど共働きです。以前からわかっていたのに対策を先送りしてきた日本とはそこが違います」(早稲田大学大学院公共経営研究科の福島淑彦教授)

 ノルウェーと日本の違いはいろいろあるが、もっとも大きな違いは外交の巧みさだろう。同国にある「ノーベル賞委員会」は、中国人民主活動家の劉暁波氏にノーベル平和賞を授与することを決めたが、案の定、中国側は12月10日の授賞式を前に、さまざまな圧力をかけている。

 なかでも世界を驚かせたのが、各国に授賞式への出席を取りやめるよう求めたこと。もちろん、ノルウェーのストルテンベルグ首相は即座に「例年通り参加する」と語り、中国側の強硬姿勢に屈しない態度を明らかにした。出欠の回答期限を過ぎても、回答留保の態度を取り続けた日本とは対照的である。元駐ノルウェー大使の河合正男・白鴎大学教授が語る。

「ノーベル賞委員会は政府から独立しているから、中国が事前に劉氏への授賞をやめるよう、政府に圧力をかけても意味はなかった。それに、ノルウェー人は公正さを重んじる民族ですから、自らの信念を曲げて圧力に屈することはありません。たとえば、日本の尖閣問題なら、船長を釈放せずに毅然と対応する。

 そのうえでアジアの平和のために、50年後を見据えた大きなビジョンを示す。それが国益になるというのがノルウェーの考え方です。外交でも内政でも、信念と勇気をもって行動する」

 日本はすぐに中国の顔色をうかがうが、ノルウェーとて中国との自由貿易協定(FTA)を結ぶ交渉の真っ最中だった。貿易額も拡大の一途を辿っている。それでも、自分たちが正しいと思えば、毅然とした態度を取る。日本がノルウェーに学ぶべきは、こういう姿勢に他ならない。

 そもそも、外交オンチの菅首相や仙谷由人官房長官のように、日本が卑屈になる理由はどこにもない。先に述べたように、日本は世界のトップと伍していくだけの実力を備えているのだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら