「小沢捜査」「JAL倒産」で焼け太る財務省検察と国税の最強タッグが動いた

2010年01月28日(木) 伊藤 博敏
upperline


一方、財務省は2010年早々の「小沢捜査」と並ぶ事件の「JAL(日本航空)倒産」でもしたたかなところを見せている。

 鳩山政権の発足とともにJALは迷走を続けた。前原誠司国交相は就任してすぐに、国交省航空局が主導していた「有識者会議」を廃止、自らの手で「JAL問題タスクフォース」を設置した。

 まさに「政治主導」だったが、タスクフォースは事業再生のプロ集団ではあっても、私的諮問機関であって"身分"がない。結局、何の役にも立たず、時間と費用を浪費しただけに終わった。

政投銀がJALに貸し込んだ「理由」

 昨年10月末、企業再生支援機構によるJAL再生支援が決まり、曲折の末、今年に入って会社更生法を申請、法的整理されることになった。この間、論議を引っ張ったのは、メインバンクの日本政策投資銀行(政投銀)であり、その背後の財務省である。

「つなぎ資金を含め、実質、債務超過のJALを支えてきたのが政投銀なので当然です。すでに倒産状態にあったJALに貸し込んだのは、政投銀を元の政策金融機関に戻すという財務省の"遠大な計画"のためです」(政投銀関係者)

 解説が必要だろう。自民党・小泉政権のもとで、政投銀は完全民営化された。「入」の郵便貯金を民営化した小泉政権が、「出」の財政投融資をばら撒く役割の政投銀を民営化するのも当然である。

 そこに到来したのが、リーマンショックをきっかけとする金融恐慌である。トヨタ自動車でさえ社債の販売先に困る状況で、政投銀は社債やコマーシャルペーパーの引き受け、不動産投資信託市場の下支え、危機対応資金の融資と八面六臂の活躍を見せた。そこには、「政策金融は必要だ」ということを見せつけたい財務省の戦略があった。

 事実、思惑通り、昨年6月、完全民営化は見直された。後先を顧みないJALへの融資は、その一環なのである。

 さらにいえば、昨年10月、財務省OBの斎藤次郎氏の日本郵政社長就任が決まり、「これで財務省は郵便貯金を取り込んだ」という声が上がった。

 鳩山政権は郵政民営化を凍結。斎藤氏の社長就任は、180兆円の郵便貯金を財務省との"連携"のなかで運用できるということであり、事実上の財政投融資の復活である。「出」と「入」が、元に戻ったのだ。

 斎藤氏は小沢氏が仕掛けた細川政権下の大蔵事務次官で、小沢氏とは肝胆相照らす仲。しかし、国民福祉税構想がとん挫して以降は、"不遇"のOB人生を送ってきた。日本郵政社長のポストは、小沢氏からのプレゼントだろう。

 そうした"果実"を受け取りながら、蜜月期間が終わり、「官僚組織の敵」という認定を、検察とともに下すと、財務省は「小沢切り」を行った。結局、傷つかずに焼け太ったのは財務省。その非情さと計算高さには、舌を巻かざるを得ない。

前へ 1 2

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事