「民主党VS検察」の戦いは、マスコミという強力な"助っ人"を得て、予想通り、検察優位に進んでいる。
昨年末の段階で、「上申書」を提出、不起訴にされて検察に"降伏"したイメージの鳩山由紀夫首相は、「法相の指揮権発動はない」「(取り調べを録音録画する)可視化法案は提出しない」と述べるなど、検察におもねるような発言が目立つ。

事務所を家宅捜索、石川知裕元秘書(現代議士)らを逮捕された小沢一郎幹事長は、特捜部の事情聴取に応じ、記者会見などでの「検察批判」を控えるようになった。
しかし長い目で見れば、検察もまた傷つく。マスコミに情報をリーク、既成事実化して世論を誘導、政治家を追い込んでいく手法が、周知のものとなってしまった。
民主党は「捜査情報漏えい問題対策チーム」を立ち上げているが、そうした政治の場での追及以外に、夕刊紙、雑誌、ブログといった報道の「非正規軍」では、検察の捜査手法に対する批判が満載だ。
そうした世論の高まりの中で、検察の「独善」を排除するために「政治主導による検事総長人事の決定」といった法務・検察の最も恐れていた"改革"が進む可能性すらある。
結局、検察は、事務次官をトップに人事を構成、天下り先を配分、規制や通達で業界を支配するという「官僚秩序」を壊そうとした民主党と、「霞が関」の代表として戦ったわけだが、双方、傷ついたという意味では痛み分けである。
ただ、今回の攻防で、改めて感じさせられたのは、「官僚のなかの官僚」といわれた旧大蔵省の頃を思わせる、財務官僚のポジション取りの巧さである。
検察の小沢捜査を支える「国税」
当初、鳩山内閣は財務省に依存することで他の省庁を押さえた。「事業仕分け」がいい例で、「政治主導」を貫くには役所を知らねばならず、"素人"の政治家に詳細がわかるはずがない。民主党にその勘所を教え、国交省、厚労省、農水省を叩いたのは財務省の"協力"によるものだった。
しかし、蜜月は長く続かない。自分たちのOBで財政規律に理解のある藤井裕久氏が小沢幹事長と対立、昨年12月22日、鳩山首相に辞意を表明した。その時点で財務省は、小沢氏=民主党と距離を置くようになった。
すでに財務省は検察が「小沢捜査」を本格化させるという情報をつかんでいたことと、ガソリン税などの暫定税率廃止を貫きたかった藤井氏を退任に追い込み、「維持」を決めたのが小沢氏だったからである。
同時に、国税は検察からの依頼を受けて、「小沢捜査」を支えることになった。
「検察の方向性は決まっています。政治資金規正法違反での捜査を終えると、所得税法違反に切り替えるというもの。そのための協力要請を、国税に行っています」(検察関係者)
検察と国税が一体となる捜査は、特捜案件の「定番」だが、今回は検察の「小沢叩き」に国税・財務が乗った。そこにはやはり、「官僚秩序の維持」という「霞が関」の代表官庁としての同じ思惑があった。
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