児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介(ジャーナリスト)対談Vol.2
「いまこそ除染のために民間のベストアンドブライテストを集めるべきだ」

vol.1はこちらをご覧ください。

津田: 児玉先生は国会で、「民間企業に除染のノウハウがあるから、それを生かしてやっていけばいい」と仰っていましたね。

児玉: たとえば、この組織(アイソトープ研究所)の場合は千代田テクノルという会社に頼んでいます。そうしたノウハウを持っている業者はあるわけですよ。その世界に詳しいし、どの機械がいいか、みんな知識や経験を持ってる。そういうところをフルに活かさないと。国の研究所や大学ももちろんお手伝いします。しかし、実践的にすぐ役に立つのはこうした民間業者です。彼らをドーンと雇って、その人たちのノウハウを全部引き出さないとダメ。

津田: 本当の意味での産官学がちゃんとした連携をしないといけないわけですね。

児玉: そのためには国民の側、民間企業の側からも、「われわれは除染についてこんな技術やノウハウを持ってます」っていうのをアピールする必要がある。経団連とか経済同友会とかには、こうした活動をもっと頑張ってやってほしいですね。

津田: 経済界など民間の側から国とか官とかに対してもっとプレッシャーを掛けて、こうやって除染を進めよていこうみたいな提案をやればいいのではないですか。

いま国がやるべきなのはプラットフォームづくりだ

児玉: ええ。でもこういうことを言うと、すぐに僕にもいっぱいメールが来て、「おまえは東大のアイソトープセンターにカネがほしいんだろ」とか批判があるんです(笑)。

津田: そういう批判はネットでも結構ありますよね。

児玉: ええ、いっぱい出てます。

津田: 予算が取りたいだけじゃないかって。

児玉: もちろん僕らもいろいろ研究をやっているので研究費はほしい。しかし、それと今回は違う意味で申し上げてるんです。そこはご理解いただきたいです。本当に技術を持ってる人には技術出してほしいっていうところを、勘ぐっていろいろ言うのもいいけれども、もっと前向きにやっかないと・・・。

津田: 政府と民間の交流がスムーズにいくためには、いろいろな上位の法律とかも作る必要もある。そのためにバンバン特別立法なんかをやっていかなきゃいけない。なのに国会はもう下らない政局話でガチャガチャやってている。それが国会での「7万人が家にも帰れない状況があるのに国会なにをやってるんですか」っていう先生の怒りにつながっているんですね。

児玉: いま国がやらなくちゃいけないことがもう一つあるんです。

津田: それはなんですか。

児玉: プラットフォーム作りです。例えばクリタは水の会社で、千代田テクノルはプラントの会社、竹中工務店だったら土木事業をやってる。だけど例えばクリタに放射線について詳しい人がそんなにいるのか、というと疑問です。千代田テクノルだって得意、不得意がある。それぞれ企業には自分の強いところはあるけれど、今回の福島原発の問題を解決できるプラットフォームがあるかっていうとそれはない。

 だから公で、いろんな企業が参加してみんなが力をあわせるプラットフォームを作らないといけません。企業っていうのは自分のノウハウを人に渡したら商売としては終わりじゃないですか。だから個別企業にそこまでできないところがある。そういうプラットフォームを作るところを国が一生懸命やらないと・・・。

津田: 企業のほんとにいいところを、国が音頭をとってどんどん集めないといけない。

『新興衰退国ニッポン』
著者:金子 勝,児玉 龍彦
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