町田徹「ニュースの深層」
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東京・大阪間のフライトが 2400円!?
本格的なLCC時代へ、ANAが背水の陣

2011年08月16日(火) 町田 徹
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〔PHOTO〕gettyimages

 全日空(ANA)は、アジア最大のLCC(格安航空会社)である「エアアジア」と、成田空港を拠点とする合弁会社「エアアジア・ジャパン」(本社・東京港区、資本金50億円)を設立して本格的なLCC事業に参入する。

 驚かされるのは、エアアジア・ジャパンの目指す運賃体系だ。フライト1時間に付き30米ドルというもので、例えば「東京・大阪間は2400円」程度とし、飛行機で気軽にランチに行けるようなサービスを目指すという。

 ANAにとっては、既存のお得意様を失いかねないカニバリズム(「共食い」の意)のリスクを覚悟うえでの"背水の陣"である。

「世界で最も運賃の安い航空会社を目指すことが私たちの成功へ向けたレシピで、東南アジでは1時間当たり30米ドルのフライトを実現しています。日本でも、それを大きく超えることはないと信じています。この地のタクシーよりも安くなることがあり得るのです。まったく新しい市場を作りだす可能性があることは明らかでしょう。考えてみてください。東京・大阪が2400円弱なら、ランチのために大阪に行くこともできるでしょう」

 鮮やかな赤のユニフォームに身を包んだ笑顔のキャビン・アテンダント(客室乗務員)たちに囲まれて記者会見に臨んだ、エアアジアの創業者トニー・フェルナンデスCEOは自信たっぷりに言い放った。野心的なプランを実現し、今まで飛行機に乗らなかった利用者を呼び込み、新たな市場を創造してみせると言うのである。 

 東京・大阪間が30ドル(2400円弱)というのは、確かに破格の水準だ。これまでの格安航空券ならば、羽田、成田の首都圏と、伊丹、関西、神戸の関西3空港を結ぶフライトの運賃は、1万2000円から2万5000円ぐらいが平均的なところ。航空会社のライバルである新幹線だって1万5000円弱はかかるだろう。

 もちろん、実際に、この通りに実現するかどうかは未知数だ。というのは、エアアジア・ジャパンの就航は2012年8月の予定で、就航する路線さえまだ決まっていないからだ。しかし、新会社の設立が、規制の壁に守られて変化のスピードが遅かった日本の空が大きく変わろうとしていることを象徴しているのは、間違いない。

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