元財務官が語った「1ドル=100円でもおかしくない」  いよいよ「「政権崩壊相場」が始まった
通貨切り下げ競争はもう終わった

 円高トレンドに一服感が出てきた。18日午後現在で1ドル=83円台を前後しているが、相場は反転し、これから円安基調に動く可能性が高い。

 私がそう考える理由は二つある。

 一つは先の20ヵ国・地域(G20)首脳会合が終わる前後からジリジリと円安に反転し、今週半ばを過ぎても円高に戻っていない点だ。

 今回の円高が始まったのは、6月下旬の前回G20直後からだった。市場参加者にとって、G20はあきらかに相場観を点検する大きなイベントである。今回のG20では、米国の金融緩和にブラジルなど新興国から批判が集中した。

 その結果、市場では「米国はこれ以上の緩和に動きにくい」という見方が強まった。米国の金融緩和は日米の金利差縮小から円高を促す。緩和見送りなら、その流れが止まる。つまり円安である。

 二つ目は日本経済の将来に対する悲観的な見方が急速に強まっている。金融市場関係者が語った。

「最近、海外のファンド勢などから『円安はいつから始まるだろうか?』という問い合わせが集中していました。彼らは『円安に振れるのは間違いない。あとはタイミングだけ』という見方です。さらに円高が続くとみる人はほとんどいません」

「これまで円を買ってきた海外のヘッジファンドは11月に決算期を迎える。ここで円を売って利益を確定する『巻き戻し』も起きている」

「根底にあるのは、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に対する悲観論です。主要な製造業はほとんど海外展開した。製造拠点だけでなく研究開発拠点を海外に移す動きも続いている。つまり日本企業自身が日本を見放して、脱出している」

「それでも世界の水準からみると、日本企業の出遅れ感はどうしようもない。海外勢からみると当分、日本経済の先行きは暗い。だから『円は買えない』というロジックです」

 霞が関のベテラン官僚も語る。

「経済界からみると、政府が企業を支援してくれない。それどころか、企業いじめがひどい、という不満が鬱積している。これ以上、日本にとどまっていても、将来に希望が見えない。海外展開できる大手製造業はまだまし。だけど、サービス業や中小企業はどうしたらいいのか、という強い不安感に覆われている」