経済の死角

知っておきたい日本のこれから

2010年11月22日(月) 週刊現代
週刊現代
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 「生活水準はアメリカより上」「政治はダメだが、民間の力は世界ナンバーワン」「首相が次々交代しても、日本のブランドは揺るがない」「中国とは民度が違う」「こんなに住みやすい国はない」

[1] 世界は日本をどう評価しているか

外を見れば「中国脅威論」、内を見れば「少子化問題」など、日本のマイナス面ばかりが強調されるが、本当にそうなのか。世界の客観的評価で知る「日本の実力」。

 アメリカで販売されている世界地図の多くは、ヨーロッパが中心に位置するように描かれている。ところがペンタゴン(米国防総省)で使われている世界地図はアメリカ大陸が真ん中に据えられており、この地図では左(西)に日本が、右(東)にイギリスが、アメリカ大陸を挟むように位置することになる。

 この地図を日常的に使っているアメリカの政府高官にとって、常に日本とイギリスは意識せざるを得ない存在であり、中国が台頭してきてもそう簡単に思考は変わらない―。

中国人の10倍稼ぐ日本人

 アメリカで長らく取材していた日本人記者の分析だ。中国脅威論が吹き荒れ、日本人は「日本は世界から相手にされていないのではないか」と弱気になっている。だが、ボストン大学のウィリアム・グライムス教授の言葉も、この記者の分析を裏付けている。

「アメリカが中国に注目しているのは、それだけ摩擦があるからです。経済的に成長していますが、中国は得体が知れないと恐れている人は多い。だから、貿易の世界でも中国はインサイダープレーヤーにはなれません。信用や信頼では日本のほうが上です」

 中国に抜かれたとはいえGDPでは世界3位。失業率が高くても餓死者が大量発生しているわけではない。本当のところ、世界は日本のことをどう評価しているのだろうか。世界の識者たちに本音を聞いた。

「日本人は完全に悲観主義に陥ってしまっている。もっとも、日本人が悲観的でなかったのは、東京オリンピックの後と、オイルショックの前くらいだけだったけれど(苦笑)」

 そう語るのは『アメリカとともに沈みゆく自由世界』などの著書を持つ、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(アムステルダム大学名誉教授)だ。ウォルフレン氏の話を続けよう。

「確かに日本ではサラリーマンの賃金が激減しているし、かつての終身雇用制度も崩壊した。これは小泉純一郎首相が誕生する前あたりから、日本がアメリカの望むような改革ばかりやってきたからです。

 もともと日本には日本のやり方があったのに、上辺だけアメリカのやり方を採用してしまった。だから、日本人は『何かおかしいんじゃないか』と感じ、悲観主義を増長させる結果になっています。

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