完全保存版 病気の値段

がん 脳卒中 心臓病ほか
手術・入院・差額ベッド・薬にかかるカネ

(週刊現代)

カネで命は買えるのか。買えないけれど、カネで病気が治る可能性があるのなら何とかしてほしい。でもいくらかかるのか、医者はなかなか本当の値段を教えてくれない。そこで週刊現代編集部が調べてみた。

 カネで命は買えるのか。買えないけれど、カネで病気が治る可能性があるのなら何とかしてほしい。でもいくらかかるのか、医者はなかなか本当の値段を教えてくれない。そこで週刊現代編集部が調べてみた。

値段表のない寿司屋と同じ

 愛媛県に住む会社員の関口謙介さん(仮名・53歳)は、50歳のとき甲状腺がんが見つかった。がんはかなり進行しているレベルのステージⅢbで、手術で甲状腺を全摘し、左右のリンパ節も50個以上取った。2週間後にいったん退院して、1ヵ月後に再入院。放射線治療を6週間受けた。この2回の入院で、治療費は3割負担で50万円ずつ、計100万円になった。

「3人の子供がいて、2人が大学受験と高校受験を控えていた。妻は専業主婦だし、医療費だけでなく、生活費や教育費などいろいろかかる。放射線治療の副作用もあって、うつ状態になり、4ヵ月近く仕事を休むことになってしまいました。休職中の生活費は貯金を切り崩してなんとかやっていました」(関口さん)

 治療を受け、病気が治ったのはいいが、請求された治療費が考えていたより高額で驚く人は少なくない。がんだけではない。脳卒中や心臓病など、当然のことながら重い病気ほど、治療費は高くなる。インターネットで、がんの種類と進行度を選択すると、その治療にかかる費用が算出できる「がん治療費ドットコム」を運営するNPO法人東京地域チーム医療推進協議会の伊木宏氏が言う。

「いまの病気の治療費は、値段表のない寿司屋の会計のようなものです。ネタがよくて美味しいこともあるけれど、いくらかかるのかわからない。日本では、治療や病状について教えてくれても、かかる費用まで説明してくれる医師は多くありません。アメリカでは全米臨床腫瘍学会が、がん専門医に対して、治療内容と同時に治療費についても話すように勧告しています」

 日本でも、東京慈恵会医科大学附属病院(東京都港区)のように「医師や看護師が、資料をもとに個人の医療費負担の概算を説明している」(同大学広報担当者)ケースも増えてきているが、まだまだ浸透はしていない。

 患者は誰だって病気を治したいと思っているだろう。だが、そのためだと最新の治療法を勧められても、治療費がどのくらいかかるかわからないのでは、二の足を踏んでしまうかもしれない。病気になったら、いったいいくらかかるのか―。今回、慈恵医大病院に、入院費を含む治療費の最新のデータを公開してもらった。この数字は、2010年4月に行われた、2年に一度の診療報酬改定に伴う保険点数をもとにしたもので、患者負担3割の場合(以下同じ)の平均値を出している(下の表)。

 

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