佐藤正久自民党外交防衛委員会理事に聞く
「『鬱陵島視察』をテロリスト同様に扱った韓国政府は、国際的にみれば失敗だった」

 佐藤正久参議院議員は8月1日、自民党の「領土に関する特命委員会」のメンバーである新藤義孝、稲田朋美衆議院議員と共に「鬱陵島視察」を目的に韓国金浦空港へ降り立った。

 ところが、「竹島は我が国の領土だ」と主張し続ける韓国政府に入国を拒否され、やむなく帰国する事になった。「鬱陵島視察」の顛末と空母「ワリャーグ」を就航させるなど軍事力増強にいそしむ中国の軍事的脅威について日本の対応を聞く。

                                                 聞き手:辻野匠師(ジャーナリスト)

 民主党政権が始まって2年間。韓国は「竹島」の実効支配を強化する行動に出ています。韓国の閣僚が「竹島」に上陸を繰り返していますし、今年に入っても7~8人の大臣が上陸しています。日本の再三の抗議にも意に介せず6月15日には孟亨奎・行政安全相が竹島に上陸するなど挑発的行為を繰り返しています。

 「竹島」の施設もドンドン拡張し、宿泊施設もこれまで2階建てだったものを4階建てに作り直しています。観光客も随分増えている。

 実は8月5日にこの4階建て完成式典を竹島でやろうとしていた。今までこのような完成式典は鬱陵島とか韓国本土でやっていたものだった。

 さらに、8月12日には韓国国会の委員会で「独島守護対策特別委員会」を竹島でやろうというのです。

 6月16日、仁仙空港を飛び立った大韓航空のA380が成田に就航するデモフライトの際、事もあろうに「竹島」上空を通過しました。韓国はさらに大型ヘリコプターが24時間離発着できるヘリポートを建設する予定になっています。これが出来れば大型の建設資材も運べ、施設整備も拡大出来る。

 また、軍事的にも大きなインパクトになるでしょう。今度は馬鹿でかい海洋科学基地を造るというのです。さらに観光客誘致のために新たな防波堤を造り、そこに海中公園を造るという。こうして韓国政府は「竹島」の実効支配を強化しているのです。

 自民党政権時代は「まだまだ、日韓の間にもいろんな問題があるから静かにしておこう」「あまり波風を立てないでおこう」ということでしたが、民主党政権になって日米関係が揺らいできた。その間隙をぬって韓国は「もう関係ない」と動き出した。北方領土問題もそうです。ロシアの北方領土の開発を中国と韓国が支援している。

 政府が動かない状況のなかで政治の方が「鬱陵島の状況を見たい」と行動したということです。8月5日の完成式典と8月12日の委員会開催を暗に止めるようにしたいとの思いで8月1日に「鬱陵島視察」を強行したのです。これによって完成式典が流れる。これが外交というものです。

北方領土、尖閣、竹島を正解したのは2%だけ

 私はツイッターをやっています。韓国入国拒否問題までのフォロワーは約4万人。入国拒否事件後、一挙に1万人ぐらい増えました。どうやら韓国の新聞に私のツイッターアドレスが載っていたそうで増えたフォロワーの半分くらいはハングルでかかれているのです。中身は「独島(竹島)は我々のものだ。来るな」など過激な内容がほとんどです。

 我々の行動によって韓国が異様な反応をしたことから、韓国と日本の間に「竹島という領土問題がある」と言うことが国際的に知られることになりました。

 それと同時に日本国民の中にも「ああ、竹島という領土問題があるのだ」ということを改めて知る人が増えましたね。

 韓国の人は竹島を領土問題とは言っていません。領土問題というのは日本だけです。日本は「尖閣諸島は日本固有の領土」といいますが、「竹島問題」というのはちょうど中国がいう「尖閣諸島は中国の領土だ」という問題と裏腹なんです。

 今回韓国の大臣がもの凄く大騒ぎをしたことで国際的にも有名となりアメリカではワシントンポストにも載ったそうです。  

 日本国民の中にも「竹島」を知らない人も多いし、「竹島」を知っていてもそれが島根県にあるということを知らない人が多かった。それが我々の行動で「竹島問題を初めて知った」という人が増え広報として大きな効果があったと思っているのです。

 先日、日本青年会議所が400人の高校生に地図を出して「日本の国境に線を引きなさい」とアンケートしたことがあります。国境の地図には北方領土、竹島、尖閣諸島がかかれてありましたが、3つとも正解したのは2%だったそうです。3つのうちでも特に竹島の正解率が悪く多くは鬱陵島の先に線を引いたそうです。

 何でそんなに不正解が多いかといえば学校で国境・領土問題を教えていないからですよ。教科書に領土問題を書いてあるのは本当に少ない。それで「日本の領土問題」について教師はほとんど教えてないというのが現状ですよ。日本国家の構成要素は「国民」「領土」「主権」だと上っ面で教えているだけ。この中でも「領土」については「どこからどこまでが日本の領土だ」ということをほとんど教えてない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら