町田徹「ニュースの深層」
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NTT株売却や電波利用料の値上げは誤り
復興財源には「電波オークション」が最良の選択だ

OECD加盟国では常識

2011年08月09日(火) 町田 徹
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NTT株の売却計画にご執心なのは、民主党の岡田克也幹事長だ〔PHOTO〕gettyimages

 「東日本大震災の復興財源」という錦の御旗の下、政府が保有するNTT株の売却計画や携帯電話の電波利用料の引き上げ論が注目を集めている。

 しかし、この2つは、日本の安全保障や経済の成長力、通信会社の公共性を脅かしかねない誤った政策である。

 復興財源を電気通信市場に求めるのならば、値上げせずに既存の電波利用料の中から無駄を洗い出すとか、先進国で導入していないのは日本ぐらいとなってしまった「携帯電話の周波数オークション」(入札)を導入するといった政策こそ王道ではないだろうか。

欧州裁判所の判決で「黄金株」は机上の空論に

 まず、NTT株の売却計画とその危うさを検証してみよう。

 この計画にご執心なのは、民主党の岡田克也幹事長だ。党内の反発で復興増税の明記に失敗したのと前後して、7月24日。視察に訪れた福島県郡山市で記者会見し「NTTやJTの株についても法改正が必要であり、そういうことについても議論の遡上にあがっている」と切り出した。

 さらに、8月3日には、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演、「拒否権を考えると3分の1を持つことになるが、別のやり方もあるのではないか」と述べ、黄金株の付与を念頭においていることも示唆した。

 しかし、黄金株は机上の空論だ。というのは、2006年の会社法改正で黄金株の発行に道を開いた日本と異なり、世界では黄金株は廃止の方向に向かっているからだ。

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