永田町ディープスロート

「反日が反共に!」暴動大国中国の病巣

人民もバカではなかった。
デモに「腐敗官僚を倒せ」の横断幕が出現!

2010年11月06日(土) FRIDAY
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 さらに報道の自由を求め、格差是正を訴える民衆のエネルギーが溢れ始めた!

 中国で、2週連続して週末に大規模な反日デモが発生した。だが、ひと口に反日デモといっても、1週間後の「それ」は、前週とはまったく異なる様相を呈していた。

 まず、10月23日に四川省徳陽で、翌24日には甘粛(かん しゅく)省蘭州(らん しゅう)と陜西(せん せい)省宝鶏(ほう けい)で、ともに数百人規模のデモが起こった。さらに26日には重慶市と、日本の総領事館がある都市では初めて発生。

 前週のデモでは日系企業のイトーヨーカドーの窓が割られたり、トヨタ車がひっくり返されるなどしたが、今回のデモでは、多数の日本人ジャーナリストが地元警察に連行される事態まで生じた。23日に徳陽で取材にあたっていた中国在住のジャーナリスト・武岡輝幸氏も連行された一人だ。

「私服警官から、『ここにいては危険だ。日本人だとバレたらどうなるか分からない』と言われ、移動を促された。パトカーで連れて行かれた市内のホテルには制服警官と私服姿の公安関係者が待機していて、尋問されました。

 『記者か?』と訊かれたので『そうだ』と答えると、『カメラで撮った映像を見せろ』と高圧的に要求されたんです。私は連行される途中にメモリーカードを空のものと差し替えていたので事なきを得ました。『他に持っているカードはないか?』と詰問されたが、シラを切り通した。

 約1時間後には成都行きのバスに無理やり乗せられ、発車するまで大勢の警官に監視されましたね」

 記者の安全を確保するという名目で、報道を規制したわけである。中国当局は、デモの実態を海外へ報道されることに神経質になっているのだ。

 さらに注目すべきことが今回のデモからは見てとれた。宝鶏のデモでは「釣魚島(ちよう ぎよ とう)(尖閣諸島の中国名)を返せ」「日本製品ボイコット」などの文字に混じって、「反共」スローガンが登場したのだ。中国に関する著書が多数ある評論家の宮崎正弘氏が指摘する。

「宝鶏のデモでは、反日は表向きだけでした。日本を非難する横断幕やプラカードは、ごくごく少数。あとは、政府を批判するものばかりだと聞いています。『不動産価格が高過ぎる』『多党制にしろ』『腐敗官僚を打倒せよ』などの内容が多く見られたそうです。これは完全なる政府・共産党批判です」

 宝鶏は陜西省第二の都市で、省都である西安から約170㎞西に位置する。10年ほど前から政府の「西部大開発」の方針で高層ビルや高級ホテルが林立するようになった。そのあおりで今年7~9月期の不動産価格は前年同期より約36%も上昇。庶民にはとても手が届かなくなっている。こうした不満が「反日デモ」の形を借りて爆発したというのだ。

 中国出身の評論家で拓殖大学客員教授の石平(せき へい)氏も同様の指摘をする。

「紛れもなく『反共デモ』ですね。書き込まれたスローガンは、『報道の自由を求める』など、政治問題を取り上げています。なかには『台湾の馬英九(ば えい きゆう)総統を歓迎する』というものもあったが、これなどは反日とは何も関係がない。台湾の総統は国民の選挙で選ばれている。彼を賞賛するということは、遠回しな民主化要求ということになるんです」

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