ネットビデオの覇者"フールー"売却(後編)
同社に群がるアップルやグーグルの思惑

Hulu TV Show-Page (出典:Hulu社プレスキット)

 米国の大手メディアが出資して始めたネット・ベンチャー「フールー社」は、月間約2800万人の視聴者を抱え、今年の売り上げは400億円を超えると予想されている。有料会員は秋口には100万加入に達するだろう。

 しかし、同社の株主であるNBC(Comcast傘下のNBC Universal)、フォックス(Fox Entertainment Group)、ディズニー(Disney-ABC Television Group)、プロビデンス(Providence Equity Partners)は、フールー経営陣が狙う"低価格成長戦略"を支持せず、"高価格・高収益"路線をもとめた。その背景にはCATVや衛星TV業界との摩擦があった。

 前回はこうした状況から、優良ネットベンチャーである同社が"売却の憂き目にあう"経緯を解説した。今週はいよいよ、同社の売却に群がるハイテク企業の狙いをまとめてみよう。

大手ハイテク企業が顔をそろえる

 2011年6月、グッゲンハイム(Guggenheim Partners、投資顧問、金融コンサルティング)とモーガン・スタンレー(Morgan Stanley、投資銀行、金融コンサルティング)は、株主の意向を受けて買収相手の打診を開始した。同売却を当初から追いかけているロサンゼルス・タイムス紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、米国"ヤフー!"がいち早く買収の名乗りをあげている。

 一方、グッゲンハイムとモーガン・スタンレーは、グーグル、マイクロソフトなど、大手ハイテク企業にも打診していった。結局、6月末には、最初に名乗りを上げたヤフー!のほか、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、AT&T、ベライゾン・コミュニケーションズ、アップルの6社が交渉相手らしいと大手新聞のニュース面を賑わせている。

 フールーの経営陣は、2013年あたりをめどに20億ドルの株式上場(IPO)を狙っていた。その関係から、同社の売却額は少なくとも20億ドル(約1600億円)と推測されている。既に黒字化を達成している同社だけに、優良な買収物件といえるだろう。ヤフー!やマイクロソフト、グーグルなどが顔をそろえた理由が良く分かる。

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