菅首相周辺が「改革派官僚」古賀茂明氏に接触していた「経産省3幹部更迭」の裏事情海江田大臣がすぐ後任を発表できなかった理由

2011年08月05日(金) 長谷川 幸洋
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 まず、いかにも歯切れが悪い。3人の更迭なら更迭とはっきり言えばいいのに「そう受け止めてもらって結構だ」などと言っている。これはなぜか。ポイントは後任人事にあったとみる。

 更迭をはっきり認めるなら当然、後任人事に触れなければならない。だが、後任については「ちょっとしばらく。閣内、政府としての手続きもあるので」と口を濁している。

 その後、午後になって安達の昇格が発表された。

 経過から言えば、2日に首相に報告しているのだから、そこで了解が得られていれば、朝の緊急会見の段階で後任を含めて発表するのも可能だったはずだ。ところが朝は口を濁して、午後になってから発表した。4日まで2日間も人事が宙ぶらりんの状態になっている。

 そうなったのは、4日朝の段階で菅の了解が得られていなかった可能性がある。

古賀茂明氏にかかってきた電話

 実は、それを裏付ける傍証もある。

 首相官邸サイドは先週から、改革派官僚として知られた古賀茂明官房付審議官に数回にわたって電話し、事務次官更迭を前提にした経産省人事について相談していた。そこでは次官の後任だけでなく、海江田経産相が辞任した後の後任経産相についても話が出たもようだ。

 このタイミングで古賀に相談したのは、当然、古賀自身の起用についも視野に入っていたとみていいだろう。少なくとも、官邸サイドが「改革派の起用は論外」とは考えていなかった証拠である。

 経産省のスパイとなる官僚は官邸にいくらでもいるから、官邸サイドが古賀に接触したのは経産省も知っていたはずだ。そんな動きを察知して、経産省が先回りして松永ら3人のクビを自ら差し出し、引き換えに後任人事を牛耳ろうとしたのではないか。

 2日に海江田が官邸を訪ねて菅に後任を含めた人事案リストを提示した段階では、問題が決着していなかった。朝日が4日朝にスクープしてから、経産省は一挙に勝負に出て同日午後、なんとか安達昇格の発表にこぎつけた。そんなところではないか。

 少なくとも菅の官邸と海江田・経産省が最初から一枚岩だったとは思えない。そうだとすると、官邸が古賀に接触した理由の説明がつかないからだ。

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