
都内のJRの駅に隣接した、とあるスーパー。野菜は見たところ、すべてのものに生産県名が記されている。ただし、福島県産はなし。偶然目に付いた袋入りのフキの水煮を手に取って、裏の生産地を見てみると「原料原産地名 国産」と書いてある。これでは何もわからない。その下には製造者として福島県内企業の名前が・・・。
次は精肉コーナー。福島県産の牛肉は出荷停止だから、店頭に並んでいないのは当然として、ここもほとんど「国産」表示ばかり。薩摩地鶏とか飛騨牛とかブランド肉には、堂々と産地表示があるのに。牛肉は個体識別番号があるから、いざとなれば生まれた場所はわかる。でも、鶏と豚は見当もつかない。
そして、驚いたのがお刺身のコーナー。銚子産カツオ、北海道産タコなどと並んで「太平洋産カツオたたき」と「太平洋産びん長まぐろ」って。こんなの初めて見た気がする。値引きシールを貼りに来た鮮魚コーナーの担当者に聞いた。
「太平洋産? 前からあるにはあるんだけど、あんまり見なかったなぁ。どこで取れたかはこっちもわからないのよ。カツオやマグロは太平洋の沖合を移動しながら取るから、『太平洋産です』と仲買業者が持ってきたら、それで終わり。法律で、売るほうには産地表示をきっちりするよう決まっているけど、取ってくるほうはアバウトでも許される。おかしいよね。業者だってバカじゃないから、もし福島の沖合で取ったって『福島産です』なんて言うわけない」
こちらが驚くほどの率直さで語ったこの店員、「気になるならこっちを買ってくださいよ」と、銚子産カツオを指さした。
気仙沼初ガツオはいわき沖産
後日、別の店の精肉担当者にも聞いたら、小間切れ肉や合い挽き肉などは、複数の産地のものを混ぜ合わせることが多いので、産地は「国産」としか書けないとのこと。ところが、有名デパートを複数廻ると、こちらでは「太平洋産」はもちろん、肉の「国産」表示もほとんど見かけない。合い挽き肉でも、牛はニュージーランド、豚は鹿児島などと表示している。










