菅直人はすでに総理ではない
総理官邸その中心に伸子夫人
彼女が日本を動かす最高権力者です

オレは総理だけど、上には上がいるんだ。それは〝ウチの人〟(伸子夫人)だ。 晩御飯だって、毎晩一緒に食べなきゃいけないんだ。これは義務なんだ〔PHOTO〕gettyimages

「女の一念、岩をも通す」という。「女賢しくて牛売り損なう」ともいう。古女房は菅直人を叱咤激励し続け、総理の座に押し上げた。だが国家の非常時に女房の尻に敷かれる総理はあまりに頼りない。

 菅直人首相は、果たして辞めるのか辞めないのか。国会議員も国民もヤキモキ(イライラ)している最中のある日、鳩山由紀夫前首相が菅首相と直接面談すべく、総理官邸を訪れた。

 すると、次に目に飛び込んできた光景に、鳩山氏は思わずその大きな宇宙人的瞳を見開いたという。総理執務室にお茶を運んできたのは、なんとファーストレディの伸子夫人だった。「え!? 伸子さん、なんで官邸にいるの??」

 鳩山氏は、菅首相と〝決裂〟した割には頻繁に首相と面談しており、何度も官邸を訪れている。ところがそのほとんどの場合、菅首相の傍らには伸子夫人が付き添っていたという。

 政界では屈指の恐妻家として知られる鳩山氏だが、その彼でさえ、こう呟いて嘆息した。

「ボクだって、幸(夫人)に官邸で接客などさせなかったよ。あんなところに伸子さんがいたんじゃ、客とか官僚たちも、込み入った話はしづらいよねえ」

 菅政権は、史上稀に見る低空飛行を延々と続けている。大震災からの復興は遅れに遅れ、自ら言い出した「脱原発」の大方針も中途半端。多くの国民が、「この総理大臣はいったい何をするために居座っているのか」とクビを傾げている。

 だが、菅首相には常人には窺い知れない、断固たる決意がある。
「何があっても決して辞めない」

 という唯一無二の決意である。総理として何をするかが重要ではない。ただ辞めないことが最高目標なのだ。依怙地になってしまった非常識な人物を翻意させるのは容易ではない。

 実は、首相のこの〝断固たる辞めない気持ち〟の背景には、伸子夫人の存在があるという。というより、官邸の総理執務室に〝常駐〟していることからも分かるように、いまや菅首相は、夫人なしではまともに来客の応対もできないのだ。

 7月6日の衆院予算委員会で、みんなの党・渡辺喜美代表から「衆院解散・総選挙」を唆された菅首相は、

「刀折れ、矢尽きるまで、力の及ぶ限りやるべきことをやっていく」
などと答弁した。

 実はこの「刀折れ・・・」という言葉も、その直前、伸子夫人が首相にハッパをかけるために使っていた言葉だという。

「夫人は首相に、『思ったことは思い切りやりなさい!』などと活を入れ続けているそうですが、この国会答弁も、伸子さんが『刀折れ、矢尽きるまで全力を尽くさないと別れるよ』と、首相を叱咤激励したのが元ネタのようです。菅首相は、自信なさげにボソボソと話しているかと思えば、急に元気になって、例の国会答弁のように、何か威勢よく言い放ったりします。言い放った時は、たいてい、伸子さんから何か言われてムチが入った時だと言われています」(官邸関係者)

 これでは首相が操り人形である。たださすがに官邸の総理執務室にまで出入りしていると、目立つことは避けられない。一時期、夫人もそれに気付いてしばらく官邸入りを自重していたという。

 ところが最近になって、再び伸子夫人が官邸に出没するようになったようだ。
「どうやら報道陣になるべく嗅ぎ付けられないよう、公邸と繋がる地下道を通って、官邸に来ているようですね。そして、相変わらず菅首相に『しゃきっとしなさい』と闘魂を注入していると言われています」(全国紙政治部記者)

 夫人の大車輪の活躍は、官邸内に止まらない。5月28日、7月9日には〝お忍び〟でボランティアとして被災地に入り、住民の生の声を聞いて回っている。

 実は菅首相の打ち出した「脱原発」という一大政策転換も、市井の声を集めた夫人の強い意向があるとされている。内助の功というより、まさに最高権力者。菅政権の骨格は、夫人によって支えられているのだ。

孫が生まれるまでは・・・

 それにしても彼女はなぜこれほど、夫の政権維持にこだわっているのか。
「脱原発など歴史的な業績を夫に上げさせたいから」
というのが有力な見方だが、こんな情報もある。

「実は10月初旬に、菅夫妻に初孫が生まれる予定です。長男・源太郎氏の子で、夫婦には総理・ファーストレディとして初孫を抱きたいという願いがあるとか。そもそも10月は菅首相の誕生日(10日)があり、〝特別にこだわりのある月〟だそうです。10月には訪中して胡錦濤国家主席と会談することも画策していますから、菅首相は何が何でも、そこまではやるつもりなんでしょう」(民主党幹部)

 他にも、首相の老親を公邸で介護している関係もあるという。公邸には常駐の医師がおり、24時間態勢で介護をしてくれるが、首相を辞めれば退去して、他に介護施設を探さなければならない。そのため、伸子夫人はかねてから、「もしも辞めるんなら、最低、1ヵ月前には私に言ってよね」

 と首相に注文をつけているという。余裕がないと、都合のいい介護施設を見つけることができないからだ。

 国家百年の計と言えるエネルギー政策から、そのあたりの市民も抱える、家庭内の悩みまで・・・。なるほど菅夫妻は〝市民派〟なのだろうが、そんな事情で国政が混乱し、市民生活が脅かされるのでは、たまったものではない。

 当然、与党・民主党内でも菅政権の早期打倒への動きが強まっている。岡田克也幹事長が示唆した通りなら、8月中にも行われる可能性がある党代表選に向け、7月27日に自らの政策集団「国家研」のシンポジウムを開いた小沢鋭仁元環境相はこう語る。

「経済界の人と会うと、『現政権は何も決められない。早く交代して欲しい』と危機感を募らせています。震災の復興でまだ大変な時に総理を代えるのはけしからん、という声も確かにあります。ただ、現状はむしろ、菅さんが首相に留まっていることで、国政が停滞しているのです」

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