「誰でもタダ」を誇ったキューバの病院が有料に!?

CUBA バングアルディア(スペイン)より

2010年12月13日(月)

世界的に評価されてきたキューバの無料医療と教育。
だが、苦しい経済で"聖域なき改革"を迫られている。

 もはやキューバでは、社会主義宣言そのものを除き、メスを入れずに済まされる領域はないようだ。

 ラウル・カストロ国家評議会議長による財政改革は、革命の象徴的な分野である社会福祉にも切り込んでいくと見られる。新たな政策には、医療制度の見直しと、教育制度におけるいくつかの改革が含まれている。

 ハバナ州のアルマンド・アンドレス・マレーロ保健局長は、間近に迫った医療部門の改革について「この分野における非効率的な支出を削減する」と述べた。その必要性についても、マレーロは同州にある25の産科・小児科診療所の例を挙げ、それぞれの診療所にたった3~5床しかないベッドに対応するために、20人ものスタッフが常駐している異常ぶりを指摘した。

 医療部門の人員削減は、サービスの質を保つという前提のもとで行われる。肥大化した公共部門の大規模なリストラ計画の一環で、来年5月までに50万人が職を失うと見られる。この数字は労働人口の10%に相当する。

 医療制度の再編成と同時に、地域の人口に見合わないと判断された病院や医療センター、診療所なども閉鎖されることになる。

 並行して行われる「社会福祉給付制度の見直し」は、こうした医療部門の経費削減以上に難しいものになりそうだ。厚生労働省のユシミ・カンポス社会福祉局長によれば、国は医療費をまかなうだけの収入がある家庭に対しては給付を打ち切る方針だ。各家庭はそれぞれの支払い能力に応じて、医療サービスの一部もしくは全額を負担しなければならなくなる。

 大きな変化だが、「教育と公共医療だけで、国の経常支出の46・7%を占めている」と共産党機関紙「グランマ」が警告するように、キューバの財政状況はそれほどまで厳しいのだ。



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