鳩山由紀夫総理の「資質」と「権力の作法」
なぜ検察批判を繰り返すのか

 1月23日土曜日午後、民主党の小沢一郎幹事長は東京地検特捜部の事情調査に応じた。そして、夜には記者会見し、政治資金収支報告書の虚偽記入容疑については、関与を否定した。

 まさに、検察との全面対決である。しかしながら、土地購入代金4億円の原資についての説明が二転三転していること、三年前の会見時の資料の中には、作成日を偽ったものがあったことなど、まだ十分に説明されていない点がある。

 小沢氏自らが、国会に出てきて参考人あるいは証人として、これらの点について真摯に説明するべきである。

 小沢問題に対する民主党の対応もいただけない。小沢擁護に終始して、党内での自浄作用が働いていない。それどころか、鳩山総理や閣僚が検察やメディアに対し、批判を繰り返している。

 権力行使は抑制的であるべきで、鳩山氏には内閣総理大臣たるべき資質が欠けているのではないか。

 首相は日本国憲法を遵守する義務がある。ところが、憲法を守るという視点から見ると、鳩山政権は危険きわまりない。

  日本国憲法第72条は、「内閣総理大臣は、…行政各部を指揮監督する」とある。その総理大臣が、小沢幹事長に「どうぞ(検察と)戦ってください」とか、「石川議員が起訴されないことを望む」とか発言すること自体が、憲法上からも論外である。自分が行政権のトップに立つ人間であることを理解しているのであろうか。

小沢一郎が違憲を判断するのか

 脱官僚・政治主導ということも素晴らしいことのように聞こえるかもしれないが、細かく検討すれば問題が多い。

 たとえば、国会で官僚の答弁を禁止するというが、統計上の数字などは官僚が答えればよいのであって、政策について政治家どうしで論争を行えばよいのである。

 私が厚生労働大臣のときに、今の長妻昭・現大臣や山井和則政務官は、大臣以外の者の答弁を許さず、事実に関することまで事細かく私に質問するので、閉口してしまったことがある。

 今は、その長妻大臣が役人の書いた答弁書を棒読みしている。喜んでいるのは役人だ。局長が答弁に立ち、不誠実な答弁をすると、国民はその官僚の資質を見抜く。だから、役人にとって最も嫌なのは国会答弁に立つことなのである。

 国会答弁の失敗で失脚したキャリア官僚もいる。その地獄のような苦しみを、官僚答弁禁止ということで取り除いてくれるのだから、役人は民主党政権を大歓迎である。

 内閣法制局長官を国会答弁の参考人からはずす決定も問題がある。法律が憲法に違反しないかどうかを、小沢一郎幹事長が独裁者的に決めるのであろうか。

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