国内企業のフェイスブック活用事例 vol.1
無印良品の取組み

 日本企業のウェブマーケティングにおいて、今もっともホットな話題は「フェイスブックはビジネスに役立つのか」というものでしょう。

 先に結論を述べておくと、ユーザー数の少ない現状においては、「売上の増加」や「ブランディング」などのマーケティングゴールの達成に大きく寄与することはない、と私は捉えています。

 日本におけるFacebookの人口普及率は1.31%です (2010年10月現在, Facebakers調べ)。全人口の1.31%、その中で自社の顧客になり得るターゲット層は何%で、数にするとどの程度でしょうか。リーチ可能なユーザーの数は、取組みを始める前にしっかりと想定しておく必要があります。

 「今」日本企業がフェイスブックに取り組み意義は、多くの場合「テストから得られる学び」以上の価値はないと言って良いでしょう。

 (ただし、小規模なビジネスで、数百人程度の顧客にフェイスブックでリーチできれば十分といった場合は例外です。ビジネスパーソン層が主要な顧客の小さなレストランなどは、現時点でも効果的に使えるかも知れません。)

 今回の記事では、既にフェイスブックを活用している無印良品から、フェイスブックに取り組む上でのポイントなどを学んでいきたいと思います。

コンテンツを有効活用する無印良品

 国内企業で最大規模のファン数を誇るのが、無印良品のファンページです。記事執筆時点のファン数は約4,200人であり、日本語で運営されている企業ファンページの中では第一位となっています。

 初めてファンページにアクセスすると、まず「くらし研究」というタブが表示されます。「くらし研究」タブには、ファンページ上に展開されている「コラム」へのリンクや、無印良品に関する画像を集めたファンページ上の「アルバム」へのリンクが掲載されています。

 「掲示板」タブでは、新しいコラムや画像の投稿の通知、無印良品関連のイベントの告知などが行われています。それぞれの投稿に対して、10~30人によって「いいね!」ボタンが押され、0~10件程度のコメントが付いています(ファンからのコメントへの返答は基本的に行われていません)。

 無印良品のファンページで特徴的なのは、過去のコンテンツが有効活用されている点です。

 まず、ファンページで展開されているコラムは、無印良品が以前から運営している「くらしの良品研究所」というサイト内のコラムの再掲載です。無印良品アーカイブというアルバムでは、過去のポスター画像などが掲載され、再考・再販というアルバムでは、再販が決まった商品の画像がアップされています。

 いずれも既存のコンテンツを再掲載する形を取っており、運用に掛かるコストを抑えていることが分かります。

 再掲載することに違和感を覚える方もいるかも知れませんが、現時点でのファンページの登録者数は多くて数千人規模であり、再掲載を気にするユーザーは少ないことが想像されます。

 そもそも企業発信コンテンツは、一般的にそう多く見られるものではないため、「ワンソースマルチユース」式に展開することは合理的な選択です。かくいう私自身も無印良品のファンページ上のコンテンツは初接触であり、十分に楽しむことができました。これをお読みになっている皆さまも恐らく同様でしょう。

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