山崎元「ニュースの深層」
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ちまちました節約術や、運用で一攫千金なんて発想を捨てよう

不況下での経済生活を改善するための
山崎流「三原則」

2010年10月27日(水) 山崎 元
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 近年の不況のせいだろうと思うが、筆者は最近、経済生活全般をどう改善したらいいかというテーマの取材を受けることが多い。経済政策をどうしたらいいかという議論は重要だが、現実問題として、適切な経済政策が迅速に実行される可能性は限りなく小さい(最近は、特に、G20の後の野田財務大臣、白川日銀総裁らの談話を聞いて脱力した)。

 そこで今回は、それを前提としながらも、個人の経済生活全般の改善について、大まかな考え方を述べてみたい

 このテーマの場合、取材に来る側が事前にイメージしている内容は、大まかに二通りに分かれる。

 一つは、日々の食材の買い出しや、日用品の買い物、あるいは夫婦の場合に夫の昼食費をどう節約するかといった、「チリも積もれば山となる」という感じの節約術だ。もう一つは、給料・ボーナスともに減少傾向にある厳しい状況を跳ね返すために、いわば資産運用で「減ったお金を取り返そう」(あるいは、一攫千金!)といったメッセージを基調とするものである。

 しかし、筆者の好みを言わせてもらうと、先ず、細かな節約をたえず考えるのは気が滅入るし、いかにも貧乏臭い感じがして、やりたくない。それに、スーパーのチラシを読み比べて割安なものをまとめ買いする、といったことを心掛けても、十分大きな効果が上がらないことが多いように思う。節約が趣味ならともかく、もっと効率のいい方法を考えたい。

 また資産運用についても、いつの時代でも、「運用を上手くやって、損を取り返す」という考え方こそが、小さく済んだはずの損から、決定的な大損に至る道筋であり、マネー運用にあって最も警戒すべき危険思想だ。

 若者向けの雑誌などで、たとえば、FX(外国為替証拠金取引)で不況による減収を取り返そうという趣旨の特集記事を見かけることがあるのだが、こうした記事を見るたびに、「罪作りだ」、「止めた方がいいのに」という感想を禁じ得ない。

 それでは、経済生活の改善を行うには、どこから手を着けて、何に気をつけたらいいのだろうか。

 筆者が強調したい原則は、以下の三つだ。

具体的には、

(一)大きな項目から先入観を持たずに考える(ちまちま節約しない!)、
(二)無駄なコストに気をつける(コストは確実なマイナスリターン!)、
(三)他人を頼らない(特に金融マンには気をつけろ!)、

である。

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