為替の相場の読み方を知ろう

このエントリーをはてなブックマークに追加

高野: 今回からは為替相場の読み方に進みたいと思います。そもそも為替相場はなぜ上下すると思いますか?

石田: 為替市場と言うくらいですから、需要と供給の関係で決まるのではないでしょうか。

高野: 正解です。では何によって需給関係が決まると思いますか。

石田: 経済の強さとか、ですか?

高野: 教科書的にはそうなのですが、実際の市場はそんなに単純ではないのです。為替相場の需給関係を決める要因は大きく二つあり、第一は実需。つまりその通貨を実際に必要とする人がどれだけいるか、で決まります。

石田: 大量に必要とされている通貨ほど買われるから値段が上がるということですね。

ワールドカップと為替の関係

高野: 石田さんは3月の震災直後に急激にドル円が下がったのを覚えていますか。

石田: 1ドル76円台になったんですよね。あの時は日本がこんなに酷い目に遭っているのになぜ円が買われるのか不思議でした。

高野: たしかに震災で日本の富が失われたけど復興のためには膨大な資金が必要になるし、被災しなかった人も投資などしている場合ではない、いざという時物を言うのは現金だと考えて投資を手仕舞いする人も増えた。円の需要が増えたために円高になったのです。

石田: 震災は日本の経済にマイナスでも円を必要とする人が増えれば、円高ドル安になるわけですね。

高野: そうです。他に、大きな企業買収の影響で為替が動くこともあります。例えば先日武田薬品がスイスの企業買収を発表しました。買収価格は1兆1000億円相当のスイスフランだったと思いますが、あの直後にスイスフランが値上がりしました。かつてソフトバンクがイギリスのボーダフォンを買った時も、ポンドが上がっています。当時、夕方の特定の時間になるとポンドが上昇していたため、為替の仲間同士で「またソフトバンクだよ」と話したものです。

石田: ソフトバンクが本当にポンド買っていたのですか?

高野: 銀行には守秘義務があるので、確かなことはわかりませんが、おそらくそうだったはずです(笑)。

あとはサッカーのワールドカップとオリンピック開催国の通貨は開幕の半年前から上がると言われています。これは実際に観戦に行く人が現地通貨を買うのと、大勢の人が旅行すれば景気も良くなる。景気が良くなればその国の通貨は高くなるはずだ、と先回りして買う人も増えるためです。

石田: そう言えば、以前CA時代にゴールデンウイーク前は海外旅行に行く人が増えるから米ドルなどの外貨が高くなるという話を聞いたことがあります。

高野: 今はカード決済が主流ので、以前ほど影響はありません。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
記事をツイート 記事をシェア 記事をブックマーク