史上最高値をうかがう円高は「人災」。復興増税を狙う財務省と日銀の日本的官僚制度が犯人だ欧州危機や米国債問題は本質ではない

2011年08月01日(月) 高橋 洋一
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 それでは、変動相場制では為替相場に何の影響も与えられないかというと、それは違うう。自由になった金融政策を使えばいい。原理は単純。円とドルでどちららが相対的に多いか少ないかだ。多いほうの通貨は希少価値がなく安く、少ない方の通貨は希少価値が出て高くなる。こうした考え方をマネタリー・アプローチといって、国際金融では常識になっている。

 この単純な原理でその程度、為替を説明できるのだろうか。2007年以降、リーマンショックで米国はドルを増やしたが、日本はほとんど増やしていない。

 

 

 その結果、猛烈な円高になった。単純な回帰分析をすると、日米のマネタリーベースの比によって。円ドルレートの9割方は説明できる。

円/ドル=67.5+41.5*日米マネタリーベース(億円/百万ドル)の比率・・・(*)

 複雑な動きをするとされる為替レートがこれほど単純に説明できるのはかなり衝撃的だ。

欧州危機や米国国債問題は本質ではない

 このように為替の決まり方を理解していると、財務省に為替権限あること自体がおかしいことがわかる。財務省が為替権限を手放さないのは、100兆円にものぼる外為資金運用にかかわる利権だからである。

外為資金は、為替の変動の乱高下を防止するとの目的で国債(為券)を発行して外貨債を購入するものだ。マネタリー・アプローチからほとんど意味はないことが分かるだろう。現に100兆円もあるのは、これまで巨額の介入をしてきたからであるが、円安にはならずに、円高で含み損が30兆円程度発生している模様だ。これはすべて国民負担なのである。

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