2011.08.04(Thu)

タバコを吸うと食欲が減るメカニズムが明らかに!

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 米国・エール大学医学部のMarina Picciotto教授らが、Science 2011年6月10日号に発表した研究で、タバコを吸う人が痩せている原因でもあり、喫煙を止めると同時にしばしば食欲が増し、太ってしまう脳内神経メカニズムが明らかになりました。

 教授らは薬理学、分子遺伝学、電気生理学、などの観点からマウスを使用して、様々な実験を行い、さらに摂食との関係を分析しました。

 その結果、喫煙によってタバコに含まれるニコチンが血中に入り、視床下部の一部の満腹中枢に関与する部分の神経細胞ニューロンを活性化させ、空腹感を感じられなくなり、こうした現象が生じていることがわかりました。

 教授らが発見したカギとなっている神経伝達のメカニズムは、脳の視床下部にあるニコチン性アセチルコリン受容体が活性化することで、活動が導かれるプロオピオメラノコルチニン細胞ニューロンにありました。

 さらにこのプロオピオメラノコルチニン細胞ニューロンが活性化することで、それに引き続きメラノコルチニン4受容体が活性化していくというのが、ニコチンによって食欲が減少していく神経メカニズムの決定的な部分でした。

 このプロオピオメラノコルチニン細胞経路が欠落したマウスは、ニコチンを与えられても体重が減少しなかったことから、この事実が証明されました。

 教授らは、しばしばタバコを止めない人が、禁煙による体重増加をその理由にしているが、視床下部の満腹中枢神経メカニズムに対するニコチンの与える影響が、詳しく解明されたことにより、喫煙者のみならず、痩せたいと願う非喫煙者にとって、朗報となる新薬開発の可能性が見えたのではないかとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Science 2011年6月10日号

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