北京のランダム・ウォーカー

高速鉄道だけではなく、あらゆる交通機関が杜撰な中国
通勤地獄は本物の地獄!

2011年08月01日(月) 近藤 大介
upperline
〔PHOTO〕gettyimages

 中国浙江省で起きた高速鉄道の惨事をめぐる余波が、事故から一週間以上経ったいまなお続いている。

 私は1ヵ月ほど前の6月27日の本コラムで、「中国版新幹線『和諧号』をめぐる前途多難」というタイトルで、自らの乗車体験に基づいて、中国の高速鉄道がいかに杜撰な産物かを述べた。その時は警鐘を鳴らす意味で書いたのだが、よもや1ヵ月後にあのような悲劇が到来するとは、予想だにしなかった。

 だが実際には、中国で杜撰な交通は、高速鉄道ばかりではない。北京在住の日本人として、あえて苦言を述べさせてもらえば、中国ではあらゆる交通機関が杜撰なのである。今回再び、私の体験に基づいた例を示そう。

<ラグビーメトロ>

 北京の地下鉄は、2008年のオリンピックの少し前までわずか2路線だったが、いまや13路線が開通している。だが、その混乱ぶりたるや、尋常でない。

 私はこの5月にオフィスを引っ越すまで、約2年間、地下鉄1号線で通勤した。朝、最寄駅は「人山人海」(黒山の人だかり)で、ホームに降りるまでに一苦労。ホームに降りても、そのままボーッと列の後ろに立っていては、30分経っても1時間経っても列車には乗れない。列車がホームに着くと、人々は両肘を開き、まるでラグビーのタックルのような要領で、開いたドアに向かって突進していく。

 しかも降車客を待たずに乗車客が突進するため、降車客と乗車客が、まさにラグビーのタックル状態となる。そして合図もなくドアが閉まる。悲鳴、怒号、錯乱・・・列車が到着するたびに、駅のホームは阿鼻叫喚の修羅場と化すのだ。

 運よく乗車できても、地獄は続く。1号線は真夏でもクーラーなし車両が多いため、超ラッシュの車内には悪臭が漂っている。しかも駅と駅の間で、平気で15分くらい止まったりする。しかもその間、何の車内放送もない。

次ページ  地下鉄に乗っていて駅に近づい…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ