雑誌
人のウラをかく「逆張り」で儲けた!
花の山はいつでもそこにある、
あなたが見ようとしていないだけだ

「震災後の東電株で儲けた」「0泊1日投資」「新興国でガンガン稼ぐ」「米国株の短期売買」「『金を狙え!』の真意とは」---攻め時、守り時を間違えるな

 人の行く裏に道あり花の山---。多勢が「買い」なら、自分は「売り」をすべし。そんな「逆張り」こそが成功を招くという投資の格言である。震災後の混迷市場にも、「花の山」がたくさんあった。

「上手い負け方」もある

 都内で投資セミナーを主催する片岡氏(仮名、42歳)は、苛立っていた。

 いままでのセミナー参加者は投資や資産運用に関心の高い20~30代のサラリーマンが中心だったが、「3・11」以後から40~60代が目立つようになった。〝新参組〟の多くは資産の大半をインフラ株や銀行株といった「安定銘柄」に投資していた人たち。

 東日本大震災で手持ち銘柄が〝暴落〟したため、「どうすればいいのか」と不安になってセミナーに足を運んでいた。中には損した分を取り戻そうと証券会社に相談、手数料の高い外国債を数百万円分も買わされている人もいて、「本当に損を回復できるのか」と心底悩んでいた。

 しかし、である。「東電株、銀行株を持っている方はいますぐ損切りして下さいと伝えても、彼らは手放そうとしない。東電株は震災前の5分の1、銀行株も7~8割の株価になっている。1000万円以上を東電株に投資している人もいて、何百万円も損を出しているのに、『売ったら損が確定するからイヤだ、ほかに何か手はないのか』と言って〝塩漬け〟にしようとするんです。

 ほとんど上がる見込みのない株なのだから、売って少しでも回収するのが投資の鉄則。ただいくら伝えても『紙くずにならなければいい』『証券会社の営業マンはいつか回復すると言っていた』と意固地になるので、さすがにあきれ果てた。じゃあ、あなたたちは何のためにセミナーに来たのかと」(片岡氏)

 大阪で投資セミナーを主催する飯島氏(仮名、51歳)も同じような悩みを抱えていた。震災後にセミナー参加者は目に見えて増加したが、「投資への意欲」が感じられないというのだ。

「私は日本株一筋でやってきたが、この震災で心が折れた。これからは海外に目を向けたい」

「東京では大規模な余震が来るという。国内だと何が起こるかわからないから、今後は外国通貨への投資を考えている」

 質疑応答に入ると参加者から大きな声が飛ぶ。しかし飯島氏が「ではこういった銘柄に投資してはどうか」と具体的に持ちかけると、彼らは一様に触手を伸ばそうとしない。

「特に年輩の方は口では日本が危ないと言いながら、いつかは復活すると考えているフシがある。そのうえ新興国などへの投資に抵抗を感じていて、いざとなるとすごく消極的になる。まるで『あなたは間違っていなかった』と誰かに言われたいがために、セミナーに来ているような奇妙さを感じます」(飯島氏)

 株式市場から活気が消えた---。この4月以降、東証一部の売買代金(一日平均)が1兆円台前半をウロウロしており、1兆5000億円のラインを超えない。しかも売買をしているのはほとんどが外国人投資家で、日本人が市場から遠ざかっている。

 背景にあるのは大震災。株価の大暴落で手持ち株が日に日に目減りし、投資家たちは及び腰になった。特に高齢者は虎の子の老後資産を減らし、もはや意気消沈の体。阪神大震災後に復興需要を見込んだ個人投資家が建設、ゼネコン株を集中買いして、大商いを演じたときとは様子が違う。

 追い討ちをかけるように、高齢者にとってはこれから辛い日々が始まる。震災復興のために国が莫大な国債の発行を余儀なくされるのが確実だからだ。

 財政逼迫のツケを払うのは国民であり、消費増税は既定路線。政府ではすでに新たな資産課税も検討されている。となれば「3・11ショック」から立ち直れないまま、資産を取り崩して高額な税金を払い続ける---。そんな「不幸すぎる老後」が現実味を帯びてきているのだ。

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