永田町ディープスロート

私を有罪に追い込んだ東京地検特捜部の「供述証拠」改竄

「復讐するは我にあり」

2010年10月10日(日) 会計評論家 細野祐二
upperline

 10月1日深夜、大坪弘道前大阪地検特捜部長と佐賀元明前大阪地検特捜副部長が逮捕され、特捜神話のパンドラの箱が開いた。蜂の巣をつついた様な大騒ぎである。

 だが、特捜検察に対する絶対的信頼が失墜するあまり、次々と特捜検事を血祭りに挙げるというのでは、中世の魔女狩りと変わらない。ここで少し頭を冷やして、事態の推移を振り返ってみる必要がある。

 もともと、前代未聞のことの発端は、本年9月10日の厚生労働省元局長の無罪判決にあった。この時は、冤罪を生む特捜検察の構造こそが問題とされていた。

 ここでの指摘は、特捜検察が事件のストーリーを書いてはそのストーリーに沿った供述を無理強いし、裁判所もその供述証拠を無批判に証拠採用しては有罪判決を書いているのではないかという、至極もっともな社会の疑問だった。ところが、大阪地検特捜部前田恒彦主任検事が逮捕された後のマスコミ報道は、フロッピーディスクの改竄疑惑一色となっている。

 今では、改竄の事実を上司のどこまでが知っていたかが問題とされ、「意図的に改竄したと報告した」とか、「そんな話は聞いてない」などといった不毛なやり取りが、連日のように新聞紙上を賑わしている。事件は一不良検察官の犯罪行為の共犯者捜査に矮小化され、いつの間にか特捜検察の冤罪構造などどこかに行ってしまった。

 しかし主任検事や特捜部長あるいは副部長といった検察官個人を何人逮捕してみたところで、組織的問題の構造的解決にはつながらない。

 厚生労働省元局長に無罪判決が出た翌11日、事件の主任弁護にあたった弘中淳一郎弁護士は、大阪弁護士会主催の市民集会に出席して、

「検察は密室の中で、利益誘導や威迫などあらゆる手段を使って調書にサインをさせている」

 と話し、取調べ可視化の必要性を訴えた。

 そして朝日新聞が朝刊一面でフロッピーディスクの改竄疑惑をスクープしたのが9月21日のことである。この間10日ある。

 

次ページ  ところが、1月27日の村木元…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ