国技館は厳戒態勢だった
千秋楽 天皇観戦が流れた「理由」

 横綱・白鵬が歴史に残る62連勝で全勝優勝を飾った9月26日の大相撲秋場所千秋楽前日、白鵬の有力後援者のもとに協会サイドからある連絡が入ったという。

「千秋楽に、天皇・皇后両陛下がお見えになる可能性があるから、当日は午後1時45分までに国技館に入ってくれ、というのです。それ以降の時間は、両陛下をお迎えするので駐車場も厳戒態勢になってしまうから、と」(有力後援者)

 白鵬は先場所、野球賭博問題など角界スキャンダルの余波で、優勝したにもかかわらず賜杯を抱くことができなかった。

「もらえるものをもらえないのは残念。どうにかなりませんか。賜杯、頼みますよ」

 と語り、優勝直後に悔し涙を見せた。場所後には天皇から功績を労う親書が届いたことに感激し、皇居に御礼の記帳に出かけている。

 白鵬が見せた賜杯へのこだわりと、記帳に出向いた真摯な態度に天皇は非常に感銘を受けていたという。

「協会幹部は今場所も白鵬が優勝した場合、賜杯を贈呈する千秋楽を天皇陛下に観戦していただきたいという希望を持っていた。両陛下はこの日、千葉で国体を観戦する予定が以前から決定していたが、国技館のある両国は、千葉からすぐですから」(協会関係者)

 白鵬は14日目の25日に優勝を決めたが、その直後、「天皇観戦」の可能性が探られたという。冒頭の後援者に連絡が入ったのも、そのタイミングだったようだ。

 しかし、結局「天皇観戦」は実現しなかった。

「この日は菅直人首相が国技館を訪れ、小泉元首相の真似をしたようなマイクパフォーマンスで内閣総理大臣杯を手渡しました。両陛下の観戦が流れたのは、もともと日程が厳しかったこともありますが、菅首相のパフォーマンスに利用されることを周囲が気にしたのではないでしょうか」(政界関係者)

 天皇は17日にも、静養中の葉山から急遽帰京して菅改造内閣の新大臣10名の認証式に臨み、その日の夜のうちに葉山に帰るという強行軍を強いられている。

 菅総理との相性はあまり良くない、ということかもしれない。