田原総一朗×夏野 剛「立ち上がれ!ガラケー日本!!」 vol.1「ガラパゴス化は通信方式が原因?ぜんぜん違いますよ!」

2010年10月08日(金) 田原総一朗
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田原:今の経営者、ツイッターやってるかな。

夏野:ツイッター、孫(正義)さんやってますけどね。

田原:孫さん、三木谷(浩史)さん、ローソンの新浪(剛)さんとかはそうかもね。でも大企業の社長はやってないんじゃないかな。

夏野:やらないなんていばってる社長もいるくらい(笑)。

田原:iPadなんて自分でやってるかな。

夏野:おっしゃるとおりで、ITで今、一番危険なのは食わず嫌いなんです。「なんか流行ってるらしい。だけれど、オレは使ったことがない。だからあれはダメだ」というのがダメなんです。そういう人は怖いんです。そうした自分の知らない、新しいことが世の中を席巻する可能性があることをね。

 やっぱり、トップが自ら率先してやらないと。トップがやらないと副社長もやらないし、常務もやらないし、専務もやらないんですよ。上から変わらないと組織は変わりません。実をいうとサムソン・モバイル、携帯部門トップ、シェア1%から20%に育てた男というのが、また強烈な男です。

田原:どう強烈なんですか。

夏野:まあ言ってみれば独占スタイル、独裁スタイルなんです。「オレがやれって言ったことはやれ!」なんです。その代わり結果が伴ってるから、それで事業がどんどん伸びていくんですね。「フランスに行け、スペインに行け、スペインのトップはスペイン人にしろっ! 給料は韓国人より多くしろ!」それでどんどんやって、一気に成長したんです。

ソニーの社長になれなかった男

田原:決定の早さでいけばね、孫さんはその強みをよく知ってます。それに三木谷さん。いずれも、夜役員たちに電話がかかってくるんです。「こういうことやりたい、お前ら調べろ。明日の夕方会議やって決定する」と。日本の経営者はね、こういうことをやろうとまず思いつかない。下から上がってくるの待ってるだけです。思いついても、会議、会議で数ヵ月、下手したら1年以上かかっちゃう。

夏野:でも、例えば、ソニーのプレイステーション。あれをつくったのは副社長にもなった久多良木健さんという方なんですが、あの人は、まさにそのスタイルなんです。

田原:そうなんすか。

夏野:PSPのデザインなんて、デザイナーと自分でやってました。「こうしたほうがいい、これでいけ」と。だからやろうと思えばできるんです。でも、そういう人が上に上がっていくのは難しい。

田原:常務、専務どまり。

夏野:みんなが怖いんですよ。久多良木さんが社長になるっていう噂はずっとあった。でも結局は社長になれなかった。ソニーの中で反対がたくさんあったと新聞に書いてあったんです。その反対の理由は何かと言うと、ソニーのためじゃなく、自分のためなんです。

田原:怖いんだ。

夏野:政治家は国のこと考える、社員は会社のことを考えなきゃいけない。自分のことを考えて人を選んだら、人事は失敗ですよ。

安全な選択がもっとも危険だ

田原:日本の経営者ってそこが弱点です。次の社長を選ぶとき、怖くないのを選ぶんだよね。

夏野:そうそう、無難なのを選ぶんです。自分よりできる男を雇い、それを後釜に据えることが本当の経営者のやることだと思うんですよ。

田原:下手にそういう社長にしたらね、自分が会長になれないかもしれない。

夏野:それがまたおかしい。、会社が成長すれば自分が退いたっていいわけじゃないですか。株でも買っとけばいいんですよ。

 ガラ携(ガラパゴス携帯)の問題は、これテクノロジー、方式の違いが原因だって言うでしょう? でもね、それは全然違うんですよ。だって韓国はCDMAっていうKDDIと同じ方式なんです。ヨーロッパと違う方式だったんです。

 日本の方式が世界と違おうが、そんなのメーカーだったら相手にあわせて作ればいいんですよ。作れるんですよ。ただし、思いきって勝負かけなきゃいけないんです。ちょろちょろっと勝負かけちゃだめなんです。サムソンは、「サムソン」というブランディングにいくらかけたか。何千億というお金を投入して、サムソンというブランドをまず作っていったんです。

田原:そこを聞きたい。日本のメーカーはブランドにお金をかけないんですか。

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