高橋洋一「ニュースの深層」
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「米国債はデフォルト危機」と大騒ぎする日本の新聞は「財政破綻」「増税」は好きが、自分たちだけ「軽減税率」求める浅ましさ

2011年07月25日(月) 高橋 洋一
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日本と同様、「ねじれ」に苦しむオバマ大統領だが、煽るような危機ではない  【PHOTO】Getty Images

 

 

 

 最近、日本の新聞にも「米国国債がデフォルトか」という記事がよくでてくる。8月2日までにオバマ米大統領と議会指導部が債務上限見直しを合意し、上限の引き上げができないと、米国国債はデフォルトになるという話だ。

 実際は、どうなのか。まず米国の国債制度を日本と対比してみよう。米国では毎年度の国債発行額は、第二自由公債法に基づく債務残高についての制限を受ける。一方、日本の場合、毎年度建設公債発行額は予算総則で、特例公債は特例法で制限されている。というわけで、米国では第二自由公債法の債務残高上限さえ下回っていれば、毎年度の発行には支障ない。

債務の上限引き上げは年中行事

 現在の法定上限は14兆円2940億ドル(1150兆円)である。第二自由公債法は1917年制定だが、それから現在まで74回の上限の引き上げがあった。今年5月には債務残高が法定上限を超え、オバマ政権は議会に法定上限の引き上げを要請し、8月2日までオバマ政権に猶予が与えられている。要するに、債務の上限引き上げは年中行事なのである。

 ただし、米国では昨年の中間選挙で共和党が過半数を奪回しており、上院は民主党が過半数を上回り、日本と同様のねじれがおきている。そこ日本と同じく野党が政府・与党を攻撃するために債務残高規制を利用しているのだ。普通に行けば、与野党の政治妥協の上に債務残高が引き上げられるだろう。

 もっとも政治にはハプニングがあるかもしれない。その場合には政府機関閉鎖になる。クリントン時代にそうした例もある。もっとも、その場合は野党がやりすぎたということになって、与党・政府側の人気が高まる。

 いずれにしても、政治的な駆け引きなので、現実に米国政府が破綻したとはならないので、混乱は一時的なものだ。

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