経済の死角

古賀茂明(経産省キャリア)×長谷川幸洋(ジャーナリスト)「民主党から旗をかかげる人よ、出てこい」

退職勧奨を受けた改革派官僚を直撃VOL.3

2011年07月25日(月)
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vol.2 はこちらをご覧ください。

長谷川: 福島第一原発の状況ですが、小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、「もはやメルトダウン、メルトスルーの段階ではなく、チャイナシンドロームの段階だ」と指摘しています。地中の中に溶けた核燃料がめり込んでいるとすると、もう冷やすことはできないとのことなんです。つまり、冷却水を循環させて冷温停止に持ちこむという基本戦略自体が間違っているのかもしれない。

古賀: 私の技術の専門家ではないので、長谷川さんが今おっしゃった以上のことはハッキリ言えません。ただ、メルトダウンしているという話が最初に出たときに、保安院の中村審議官がそれを正直に認めたため、更迭された。その後のいきさつを見ていると、小出先生のような方がもともと指摘していたことは後から考えると合っている。しかも、今になって原子力安全委員会の先生たちも「実は私もそう思っていた」と言ったりしている(苦笑)。

 もちろん、小出先生の説が間違っている可能性もありうる。今回の事態においては常にそうなのですが、「絶対に当たっている」という証拠は誰にもないのです。そして、「確証はない」→「だから、危険だとは言えない」という流れで、どんどん議論がすりかえられていった経緯がありました。

 チャイナシンドロームに関しても、おそらく保安院は、「論理的にはその可能性あるけど、そうではない可能性だってあります。ということは、そうではないと考えていいです」と、なってくるでしょう。

 また、チャイナシンドロームを認めてしまうと、とにかく急いで地下ダムを作らなくてはならないという話になる。東電も地下ダムの準備をしていることは認めましたが、一刻も早く作るとなると、1000億単位あるいはそれ以上の巨額の費用がかかります。4月~6月期の決算時にその費用を計上することになれば、その分損失や負担が発生し、4月~6月に債務超過になってしまうのではないかということになる。

 実は、ほとんど知られていませんが、賠償機構法案には最後の切り札があって、「タダで東電にお金をあげます」という意の条案が入っているんです。条案の中の交付国債に関する部分に、但し書きで「ものすごく大変な時にはただでお金あげます」という条文が入っている。

 だから、法案が成立すれば、何が起きても最後は国がただでお金をくれる。しかし、現状、賠償機構法案はまだ成立するか分からないので、確実に成立するまでは負担を増やしたくないわけです。

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