経済の死角

金利ゼロも出た!
「超低金利」住宅ローン

得する「借り入れ」と「借り換え」の研究

2010年10月06日(水)
週刊現代
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 過去最低水準にまで下がった住宅ローン金利。「固定型」と「変動型」の金利差が急接近する〝異常事態〟だ。ローン選びの基準は変わった。いま最もお得なローン利用法を、徹底研究した。

固定型でも金利1%以下に

 いま住宅ローン業界で、異例の大ヒットとなっている商品がある。『フラット35』。市場全体が20%減(前年比)と縮小傾向にある中で、前年比2倍もの借り入れ実績(住宅金融支援機構調べ、7月実績)をたたき出しているのだ。

 住宅ローンの常識を変えた—。フラット35がそう評される理由は、なんといっても「金利の低さ」にある。

「フラット35シリーズは住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する長期固定金利型の住宅ローン。中でも『フラット35S』は、一定条件を満たす物件に対して当初10年間の金利が低くなるため、人気が集中しています。その下げ幅は従来0.3%だったのが、今年2月15日申し込み分からは1%に跳ね上がったんです。

 フラット35の最低金利は返済期間20年以下の場合、1.87%で、これが35Sだと当初10年間は金利優遇で0.87%になる。返済期間21年超の場合でも、当初10年の優遇金利は1.06%という過去最低水準です。

 民間の変動金利型ローン並みの低金利を10年間固定で享受できるというのは、歴史的にみてもほぼあり得ない水準。この安心感からフラット35の申し込みが急増、その約8割をフラット35Sが占めているのです」(不動産ジャーナリストの山下和之氏)

 そもそも35Sは、政府の長期住宅・エコ住宅推進策を受けてできた商品。「省エネ」「耐震」「バリアフリー」「耐久・可変」の4条件のうち1つでも満たす住宅を購入する場合に適用される。とはいえ、「新築マンションの場合、ほとんどはこの基準をクリアできる」(山下氏)。さらに中古住宅購入の際にも使えることが、人気の理由となっている。

 では、実際にどれくらいお得なのか。

 たとえば、35年返済で3000万円の住宅ローンを組んだ場合(元利均等払い、ボーナス返済なし)、フラット35Sなら、1~10年目は金利1.06%で月々の返済額は約8万6000円。11年目からは金利2.06%で月額約9万6000円となり、総支払額は3911万円ほどである。これに対してフラット35の場合、月々の返済額は約10万円で総支払額は4213万円ほどなので、その差は300万円を超える。

 ただ、注意したいポイントもある。同じフラット35でも各金融機関によって金利差がある。60ページの表をみていただきたい。どこで借りるかによって手数料も違うため、最大で400万円以上の差が出るのだ。

「もう一つ注意したいのは、金利が確定するのがローン借り入れ実行時だということ。いま申し込んだとしてもその金利で借りられるかどうかはわからないのです」(山下氏)

「価格破壊」は、フラット35に限った話ではない。住宅ローン業界全体に及んでいる。

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