「小沢捜査」を指揮した大鶴前東京地検次席が退官、佐久間前特捜部長は左遷の「内幕」 家宅捜査も連発した特捜部捜査の限界

2011年07月21日(木) 伊藤 博敏
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 佐久間氏は、東大法学部を卒業、司法修習を経て検事に任官、4度、特捜部を経験している。大鶴氏が東京地検特捜部長時代、副部長を務め、佐藤栄佐久収賄事件の際、現場指揮を執った。

 佐久間氏の特捜検事としての能力に疑問符がついているわけではなく、検察庁内の評価も高いのだが、「無理せざるを得ない」という特捜検事の宿命なのか、ここ数年は失点続きである。

 主任検事として捜査を担当した旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件では、証取法や商法違反で当時の経営陣を逮捕・起訴したが、いずれも最高裁で逆転無罪判決が下された。また、佐藤栄佐久事件にしても、「特定企業を受注させる行為はあった」としながらも、金銭の認定には至らず、「賄賂なき収賄事件」と、実質的には無罪に等しい高裁判決だった。

 そのあげくの「小沢捜査」である。

崩れたトライアングル

 佐藤栄佐久事件でコンビを組んだ二人は、捜査を通じて小沢氏の東北談合への影響力を熟知した。その共通認識が、「小沢捜査」の端緒となった西松建設事件を小沢ルートに延ばすきっかけとなり、「何度もチャレンジする」という正義感が、無理な捜査につながった。

 大阪地検事件を機に検察捜査の見直しが始まり、最高検は7月8日、政界を中心とする独自捜査の縮小を決めた。

 「特捜部」という名称は残すものの、財政経済事件にシフト、その理由を笠間治雄検事総長は、こう説明した。

「過度の独自捜査優先の考え方は、過度のプレッシャーを生みかねない」

 これまで検察は、「過度のプレッシャー」のなかから事件の端緒を見つけ出し、立件までのシナリオを書き、それに沿って捜査、供述を取って肉づけをする「シナリオ捜査」を、腐敗する権力の一罰百戒効果と秤にかけ、「日本の利益」のために認めてきた。

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