井上久男「ニュースの深層」
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ガソリンエンジンの燃費競争では韓国に負け
日本と北米でしか通用しない
「ハイブリッド車のガラパゴス化」

既存エンジンと変速機の進化で世界一狙うVW

2011年07月21日(木) 井上 久男
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ハイブリッド技術の代表格である「プリウス」〔PHOTO〕gettyimages

 軽自動車大手ダイハツ工業が19日、既存のガソリン車では最高の燃費効率(「10:15モード」で1リットル当たり32キロ)となる新型の軽自動車を9月に国内で発売すると発表した。日本経済新聞を初め多くのメディアが「燃費競争加速」などと大きく取り上げている。

 日本の自動車メーカーは低燃費技術を得意としてきた。1997年に「プリウス」として世に出たトヨタ自動車のハイブリッド技術はその代表格であろう。ダイハツの新技術もその伝統の流れに沿うように見える。

 しかし、筆者は「グローバル競争」という視点で低燃費競争を見ていくと、日本の技術は果たして今のままで大丈夫なのか、といった問題意識が芽生えてくる。軽自動車は日本だけにしかない商品であるし、ハイブリッド車も実は「ガラパゴス化」がかなり進んでいる。現状では国内市場中心にしか通用しない商品と言っても過言ではない。

 さらに言えば、ハイブリッド技術に力を入れ過ぎた結果、トヨタやホンダは、既存のエンジンの開発が疎かになっている傾向が見られる。両社ともにガソリン車では韓国の現代自動車に燃費競争で負け始めている。トヨタもホンダも大スポンサー故に大マスコミはこうした現実をほとんど報じない。

 米国市場で、トヨタの「カムリ」「カローラ」、ホンダの「アコード」「シビック」、現代の「ソナタ」「エラントラ」といった3社の主力車の燃費効率を比較すると次のようになる。ガソリン1ガロン(3・8リットル)当たり何マイル走ることができるかを示すデータである。1マイルは1・6キロメートル。

   都市走行 高速道路走行
カムリ 22マイル  32マイル
アコード  23マイル 34マイル
ソナタ 22マイル 35マイル
カローラ 26マイル 34マイル
シビック 28マイル 39マイル
エラントラ 29マイル 40マイル

 この結果、米国市場での販売競争で、「カムリ」も「アコード」もシェアを落としている。今年5月には「カムリ」が「ソナタ」に初めて販売台数で追い抜かれた。

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