雑誌
実録 プチ管理職はつらいよ
やっと肩書付いたけど、嬉しくないッ! 
パワハラ上司と、無能部下に挟まれて、ツブされる~ッ

 「出世は男のロマン」—そんな時代は過ぎ去ったのかも知れない。このご時世、中途半端に出世をしても、まるでいいことがない。「ヒラのほうがマシだった」。そんな声さえ聞こえてくるのだ。

 ある雨の月曜日、都内の印刷会社に勤める加藤正芳係長(仮名。以下同・35)はいつもより早く出社した。コンビニで買った缶コーヒーを片手に人気(ひとけ)のないオフィスに入った時、異様な光景に思わず息を飲んだ。部下の女性が髪を振り乱して、自分の机を漁っているのだ。

 背中越しに何をしているのか尋ねると、耳を疑うような言葉が返ってきた。「係長って、意外と机汚いんですね。大事な伝票とか無くしちゃいますよ」

 あまりの非常識さに唖然とする加藤さんを尻目に、彼女はガサゴソと机を漁り続ける。そして・・・、

「金曜日に私が出した報告書ってどこにありますか? 今日係長から課長に提出するって言ってたじゃないですか。その前にちょっと直したいんですけど!」

 静かなオフィスに怒号が響いたのは言うまでもない。怒りに燃えるアタマの片隅で、加藤さんは前任の係長が毎日のように「胃が痛い」と言っていたことを思い出した。そうか、これがそうなのか—。

話の途中で眠る部下

「ヒラの時に比べて3倍ぐらい忙しくなりましたよ。まるでヤル気の感じられない若手社員の面倒を見ながら、自分の仕事もこなさなければいけないんですから。上司には『部下のモチベーションが上がらないのは君の責任だ』と責められますが、『だったらお前がやってみろ!』と心の中で言い返しています」

 名古屋市内の中古車販売会社に勤める升田学さん(40)の名刺には、営業サブマネージャーの文字が刷られていた。今年の4月にヒラから昇格した時は嬉しくて親にも名刺を渡したが、そんな気持ちはすぐに砕け散ったと苦笑いする。

「ヒラのほうがどれだけ気楽だったことか・・・。私の部下の新入社員は典型的な"ゆとりクン"で、入社して半年経っても、まだ一件の契約もないんです。それなのに朝は誰よりも遅く来て、夜は課長より先に帰っていくマンガみたいなダメっぷり(笑)。

 ちょっと注意すると、すぐヘソを曲げて大遅刻するなどの"反撃"に出るので迂闊に怒ることもできないんです。この間、『相談がある』と持ちかけられて居酒屋に行ったら、『同棲している彼女と結婚したいんですが、ウチの給料で大丈夫でしょうか』って聞いてくるんです。僕が独身だということは、そいつも知ってるのに・・・。

 子だくさんの同期を引き合いに出して『心配ないよ』と肩を叩くと、『マジっすか!!』とすっかり安心した様子。ところが、トイレに行って戻ってくると、テーブルに突っ伏してスヤスヤ寝息を立てている(笑)。上司としてうまくコミュニケーションが取れたと思った私がバカでした」