私たちの生活を変えるテクノロジー、「ジオフェンシング」位置情報系サービスは「ソーシャル」に

 現在ウェブ業界でもっともホットな分野の一つが、「位置情報」を利用したサービスと言われています。

 位置情報系サービスの代表格はモバイルアプリケーションである「foursquare(フォースクエア)」です。foursquareは「チェックイン」というアクションを通して、自分の現在地を友人に伝えることを可能にします。

 foursquareとその類似サービスの多くは「ゲーム」の要素を持っています。例えばfoursquareは何度も同じ場所にチェックインすると、その場所の「Mayor(市長)」になることができる機能を備えています。

 SCVNGRというアプリケーションは場所に「課題(写真を撮る、ツイッターでつぶやく、など)」を設定することができ、課題をクリアするとバーチャルな「バッジ」が獲得できます。

 企業による活用も進められており、例えばスターバックスはfoursquareで店舗の「Mayor」の称号を獲得しているユーザーを対象に、限定の割引きを行うキャンペーンを展開しました。

 熱い分野ではありますが、少し厳しい視点で見ると、現状の位置情報系サービスの多くは多分にゲームの要素が強く、メールやツイッターのような私たちの生活に役立つコミュニケーション・ツールにはなりきれていません。現にこれをお読みになっている皆さんで、日常的に位置情報サービスを使っている方は皆無と言えるでしょう。

 位置情報は生活に浸透するのでしょうか。この疑問にヒントを与えてくれる技術が、今回紹介する「ジオフェンシング(Geofencing)」という耳慣れないテクノロジーです。

「フェンス」への出入りを感知し、メッセージなどを送信する

 ジオフェンシングは「地図上にバーチャルなフェンスを設置する技術」です。例えば「自己多発地域」や「安全に遊泳できる範囲」といったフェンスを地図上に設置することができます。

ジオフェンシングの概念図[wikipediaより]

 この技術を用いると、特定のフェンスの中に、特定のユーザーや特定のモノが出入りした時に、システムからメッセージなどを送信することが可能になります。

 言葉だけでは分かりにくいので例を出すと、下記のようなジオフェンシング・サービスが考えられます。

・子どもが事故多発地域に近付いた時に、親と子どもの携帯端末に注意メッセージを送る

・自動車や自転車が盗難にあったこと(ジオフェンスの外に出たこと)を知らせる

・野生動物が農場に入ってきてしまったこと(ジオフェンスの中に入ってきたこと)を知らせる

・遠くに住む友人が東京に訪れたこと(ジオフェンスの中に入ってきた)を知らせる

・観光中、観光名所に近付いた時に携帯端末に写真付きの案内文を表示する

 現在主流の位置情報系サービスに比べると、ジオフェンシングを利用したサービスは安全や防犯といった分野にも強く、実用性の高さが特長です。

 もちろん様々な応用が考えられ、例えば企業のマーケティング・プロモーションや広告にも活用できるでしょう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら